我慢強く戦い延長戦で勝負決めた!習志野が難敵・東京学館を破り関東大会出場権獲得
令和6年度関東高校サッカー大会千葉予選の準決勝第1試合が5月3日にゼットエーオリプリスタジアムで開催され、習志野が東京学館を延長戦の末に1-0で退け、関東大会の切符を手にした。 【フォトギャラリー】習志野 vs 東京学館 スコアレスのまま突入した延長前半、後半途中からピッチに立った習志野の背番号10が遂にゴールネットを揺らし、関東大会への道を切り開いた。 この試合唯一のゴールが生まれたのは84分、習志野は右サイドからDF6岡田海裕(2年)がクロスを上げると、セットプレーで攻め残っていたDF4高山翔汰(3年)がファーサイドで競り勝つ。この高山の折り返しを中央でフリーになっていたFW10勝野陽人(3年)が蹴り込んだ。 「競り合った仲間を信じていたので、あのポジションにいれたし、あそこにボールが来るとわかっていたので生まれたゴール。だからチームで勝ち取ったゴールなんです」 そう勝野が胸を張ったゴール。習志野は最後までこのリードを守り抜き、東京学館に競り勝った。 習志野を率いる櫻田常聖監督が「相手のサッカーに合わせてしまった」と試合後に語った通り、序盤から自分たちのスタイルを実践していたのは、どちらかと言えば敗れた東京学館の方がだった。 手数を掛けないシンプルな攻撃や、ロングスローなども使い、東京学館は試合開始から闘志を前面に押し出し、局面を狭く保ち肉弾戦に持ち込んだ。さらに気合の入った泥臭いプレースタイルが応援団の熱気を上げ、会場の雰囲気も飲み込んでいった。 相手のストロングを消すことに成功した東京学館は、互角以上の展開で前半を終えると、後半には74分にMF9宮田都碧(3年)がドリブル突破からPKを取ってもらえてもおかしくないシーンも作り、後半終了間際には、宮田のクロスからMF10黒澤颯斗(3年)が惜しいヘディングシュートを放つなど、スコアレスながらも充実した戦いぶりをみせた。 しかし、延長前半開始とともに最初の交代カードを切った東京学館とは対照的に、習志野は後半に4枚の交代カードを使い、MF15奥村夏(3年)が正確なキックと戦術眼で局面を打開するなど、我慢強く自分たちにペースを手繰り寄せていた。 その甲斐あって、交代出場直後は上手く試合に馴染めていなかった勝野も、後半が終わるころには自信を持ってプレーできるまでに。 「選手交代をしながら、ちょっとずつペースを掴めてきた。誰がスタートでも面白いと思いますし、選手の特徴がハッキリしているので、やって欲しいことを出た選手が狙い通りにやってくれた」とは櫻田監督。 決して狙い通りに進められた試合ではなかったが、指揮官の狙いを実践できる選手がベンチに控えていた習志野。延長戦も視野に入れ、我慢強く内容を改善させていったことが、勝野の決勝ゴールに繋がったのだ。 今大会、習志野は3試合連続の1点差勝利。「難しい試合を勝ち切ったり、モノにするところは公式戦をこなす度に身に付いてきているし、一戦一戦成長してきている」勝負強さを見せ始めた選手たちの姿に指揮官も手応えを口にする。 「長らく出ていないですし、僕も選手も経験していないので、どこまで出来るか。千葉県開催ですし、色んな方に応援してもらえるようなサッカーや振る舞いをしたいと思います」と久しぶりの出場となる関東大会を見据えた櫻田監督。 準決勝を勝ち抜いた習志野は6日に検見川と決勝を戦い、5月25日から千葉県内で行われる関東大会に出場する。 (文・写真=会田健司)