【がんばれ!郷土力士】大の里、危なげなし 石川4関取そろって白星
●2敗目引きずらず、業師一蹴 大相撲九州場所(福岡国際センター)7日目の16日、今場所初めて石川県出身の4関取がそろって白星を挙げた。新大関大の里は西前頭2枚目の宇良を危なげない相撲で下して5勝目を手にした。前日に喫した2敗目を引きずらず、業師に何もさせずに一蹴した。 【写真】宇良(手前)を攻める大の里。押し出しで下す 新大関が本来の相撲を取り戻した。激しい突き、押しを繰り出し、左へ逃げる相手を攻め立てた。八角理事長(元横綱北勝海)も「前に出ると決めていた」とうなずいた。支度部屋では「また集中して頑張る」と普段通りの言葉を並べ、気を緩めなかった。 東前頭7枚目の遠藤は西前頭8枚目の豪ノ山を寄り切り、連敗を止めて4勝目。「体の調子を考えた」という立ち合いの左への変化で主導権を握ると、上手を取り、投げで崩して攻め込んだ。「しっかりと土俵に上がる準備をするだけ」と先を見据えた。 ●欧勝海、無傷で勝ち越し王手 西十両14枚目の欧勝海は同9枚目の大翔鵬を寄り切って初日からの連勝を7に伸ばし、勝ち越しに王手をかけた。腰の重い相手に1分半の長い相撲となったが、勝機を逃さずに左をのぞかせて寄り切った。「連勝を意識すると硬くなる。勝ちたい欲を出さないように臨みたい」と気を引き締めた。 東十両2枚目の輝は西十両2枚目の伯桜鵬と呼吸が合わず「初めての経験」という5度目の立ち合いで成立。好内容での3勝目に「やるべきことに集中できた」とうなずいた。 ●炎鵬勝ち越し 西三段目56枚目の炎鵬(金沢市出身、金沢学院大OB、伊勢ケ浜部屋)は同59枚目の優力勝(常盤山部屋)との全勝対決を制し、ストレートで勝ち越しを決めた。鮮やかな下手投げで完勝。幕内時代と比べることはないとし「今の新しい自分が一番強い、最高の自分だと思ってやっていく」と語った。