「万博」には2種類あるって知ってた? 開幕まであと半年…周知活動目立つ大阪・関西万博からひもとく万博豆知識
来年4月に開幕する2025年大阪・関西万博(以下、大阪万博)まで、あと約半年。現在、開催地の大阪をはじめ全国でさかんに周知活動が行われている。そこでふと気になった。そもそも万博って、どういうイベントなのか? リサーチしてみると、万博には2種類あることが分かった。 【写真】協会が「順調」と胸を張る大阪・関西万博の会場建設
加盟国は184カ国 国際博覧会条約に基づいて行われる
私たちがふだん「万博」や「博覧会」と呼ぶイベントは、正式には「国際博覧会」といい、オリンピック・パラリンピックのように都市が主催するのではなく、政府が主催する国家プロジェクトだ。 外務省のホームページによると、1928年に成立した国際博覧会条約に則って設立された博覧会国際事務局(BIE/本部・パリ)に登録又は認定されたものと位置付けられている。国際博覧会条約によると、次の3条件がそろっていることが必要だ。 ・二以上の国が参加。 ・公衆の教育を主たる目的とする催しである。 ・文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すもの。 万博の原形をたどっていくと紀元前のエジプトやペルシャまで遡れるといわれているが、国際博覧会としては1851年に25カ国が参加してロンドンのハイドパークで開かれた「ロンドン万国博覧会」が最初とされている。日本は江戸時代の末期、1867年に開催された「第2回パリ万博」に徳川幕府・鍋島藩・薩摩藩が初めて参加している。
万博には「登録博覧会」と「認定博覧会」の2種類ある
さらに理解を深めるため、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会に問い合わせた。 博覧会には「登録博覧会」と「認定博覧会」の2種類あって、それぞれ規模や開催期間が異なる。 ▽登録博覧会:5年ごとに開催され、開催期間は最大6カ月。パビリオンの建設は各参加国が行う。 ▽認定博覧会:各国政府が登録博覧会の間に開催し、開催期間は最大3カ月。パビリオンは開催国が用意する。 1988年に条約が改正される前は、「一般博覧会(一般博)」と「特別博覧会(特別博)」と呼ばれており、おそらく60歳以上の人なら強烈な印象が焼き付いている1970年の大阪万博(日本万国博覧会)は「一般博」で、アジアで初めて開催された国際博覧会だった。半年間の開催期間中、入場者数は約6400万人を記録した。会場跡は現在「万博記念公園」として整備されており、入場ゲートをくぐったらあの「太陽の塔」が目の前にそびえ立っている。 以下、過去に国内で開催された博覧会を挙げておく。 ▽登録博(旧名称・一般博) 日本万国博覧会(1970年/開催地・大阪府) テーマ:人類の進歩と調和 参加国:日本を含む77カ国と4国際機関 愛・地球博(2005年/開催地・愛知県) テーマ:自然の叡智 参加国:日本を含む121カ国と4国際機関 ▽特別博(旧名称・認定博) 沖縄国際海洋博覧会(1975年/開催地・沖縄県) テーマ:海-その望ましい未来 参加国:日本を含む36カ国と3国際機関 国際科学技術博覧会(1985年/開催地・筑波研究学園都市) テーマ:人間・住居・環境と科学技術 参加国:日本を含む48カ国と37国際機関 国際花と緑の博覧会(1990年/開催地・大阪府) テーマ:花と緑と生活の係わりを捉え 21世紀へ向けて潤いのある社会の創造を目指す 参加国:日本を含む83カ国と37国際機関および18園芸関係等の国際団体 2025年4月13日から10月13日まで半年間にわたって開催される大阪万博は「登録博」である。