〈PTAで亀裂が入る人間関係〉地獄の委員決め、自腹打ち上げ、仕事との両立…「やりたくない」「でも学校を支えているのはPTA」現役ママたちのホンネ
ボランティアの範囲超えるなら縮小を
40代女性(会社員、公立小6男児の母)は、PTA役員に選ばれた経験がある。その仕事内容は、ボランティアの範疇を超える負担だったという。 「先生や周りのお母さんたちにお願いされたので引き受けたのですが、正直、複雑な気持ちでした。子どもの学校のために力になりたい気持ちはあるけど、仕事との両立は難しい。うちの子の学校には、PTA活動に力を入れている保護者の方が多くて、温度差を感じました。 行事の前や大事な会議のときは、有休を取ってPTA活動を優先させていましたが、時代に合わせてPTAをなくすか、縮小してほしいです」 一般的には、コロナ禍をきっかけに、学校行事やPTAも縮小の傾向にある。40代女性(自営業、私立中3女子生徒の母)は、「希望した人だけでやっても、人数は十分足りる」と指摘する。 「自営業をしている関係で、時間の融通がききやすいと周りの保護者に思われたのか、お願いされたので、しぶしぶPTA役員を引き受けたことがあります。活動に力を入れている人とそうじゃない人との間に溝ができていて、雰囲気は悪かったですね。くじ引きでなった人や、先生にお願いされて断れなかった人が多かったです。 一方で、熱心な方の中には、3年間ずっとPTA役員をしている人たちもいて、仲良しグループみたいになっていました。 会議のときはほぼその人たちが決めて、ほかの人は発言すらしない。仕事も中心になっている人がほとんどやってくれたので、私に振られた仕事はわずかな雑用程度でした。学校のために熱心に動いていただいているのはありがたいのですが、内輪ノリの感じが苦手でしたね」
地獄の委員決めは改善すべき
これまで『PTAの活動は忙しくて難しい』『やってみたけれど負担が大きい』といった否定的な意見を紹介した。ここからは肯定的な意見も紹介したい。 30代女性(パート、公立小5女児の母)は、「もし機会があれば、またやってみたいです」と前向きだ。 「昨年度、くじ引きで本部役員になってしまったときは、どうしようと思いました。でも実際にやってみると、周りのPTAの方や先生方に支えられて、楽しく1年間を終えることができました。メンバーに恵まれていたので、和気あいあいとした雰囲気でしたね。一緒に役員をしていた方たちとは、今でも仲良くしています」 40代女性(専業主婦、私立小3男児の母)は今、PTA役員になって2年目だ。 「1年目にくじ引きで当たったときは、私に務まるのか不安でしたが、やってみると楽しかったし、思い出ができました。それで、2年目は自分から立候補しました。 学校のことをよく知ることができるし、ほかの保護者の方や先生方との距離を縮められてよかったです。学校行事に直接携われたり、学校のことを役員みんなで協力して決めていったり、すごくやりがいを感じています」 もちろん、仕事や家庭の状況、活動への適性、どのくらいゆとりがあるかなど、事情は個々によって違うため、誰にとってもやりがいがあるとは言えないだろう。 30代女性(専業主婦、公立小4女児の母)は、「地獄の委員決め」を経験した上で、次のような改善策を提案する。 「誰がPTA役員をするのか、保護者会で話し合って決めるときの雰囲気がすごく苦手です。1時間以上話し合っても、決まらなかったこともあります。誰かが立候補しないと終わらない、まさに地獄の空気です。仕方なく私が役員をしたこともあります。 私は専業主婦なので『あなたがしなさいよ』みたいな無言の圧力を感じたのも、立候補した理由の一つです」 PTAの仕事はやってみたら、意外と楽しいこともあったという。 「でも、いろんな家庭がありますし、1クラスから◯人出さなければいけない、みたいな縛りは早くやめるべきだと思います。できる人だけで、協力し合ってするのがいいのでは」