お盆で帰省したら、母に「毎年贈与するから、銀行で新しい口座をもう1つ作っておいて」と言われました。複数口座を作るのって問題ないんですか? なんだか悪いことをしている気分になるのですが…
一昔前までは同じ銀行で複数の口座を持つことは容易でした。年齢層の高い世代はいまだにその感覚が強く、お盆に帰省した際などにお金を贈与した後の管理面から、複数の口座を持つことを勧めてくることもあるかもしれません。 しかし、昨今は同一銀行で複数の口座を作る機会が減り、「なんだか悪いことのような気がするけど大丈夫?」と心配になる人もいるでしょう。 本記事では同一銀行で複数の口座を作っても大丈夫なのか、作ることのメリットやデメリットについて解説します。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
同一銀行で複数の口座を作ることは違法ではないが難しい
同一銀行で複数の口座を制限する法律はありません。しかし、実態として多くの銀行では複数の口座を持つことを制限しています。そのため、いくら口座をもう1つ作りたいと銀行に申し出ても、「銀行の決まりとしてできません」と言われることもあるでしょう。
同一銀行で複数の口座を作ることに制限があるのはなぜ?
同一銀行で複数の口座を作ることに制限があるのにはいくつかの理由があります。代表的なものを見ていきましょう。 ■理由1 犯罪を防止する 銀行口座はときに犯罪に利用されることもあり、複数の口座を持つことで犯罪行為がされやすくなる可能性があります。 銀行は顧客の資金を守らなければなりません。大切な顧客の財産を守るべく、不正利用や犯罪への対策として同一銀行で複数の口座を作ることを制限している側面があります。 ■理由2 銀行の管理負荷を減らす 銀行からすると、口座が増えれば増えるほど管理負荷も増えてしまいます。例えば複数の口座があり、あまり活用されずに休眠口座の状態になっても、銀行は口座が存在している限りは管理しなければなりません。 口座が増えれば、無駄な管理が発生するリスクも増えるといえるでしょう。
銀行や理由によっては複数の口座を作ることができる場合もある
基本的には同一銀行での複数の口座開設は難しいですが、必ずしもできないというわけではありません。 例えば、三井住友銀行では、ホームページにて「多数の口座を開設されることはご遠慮ください」とする一方で、利用目的によっては複数の口座の開設ができる場合があるようです。 また、常陽銀行でも「原則として1人1口座」としつつ、利用目的によっては2口座目の開設が可能な場合があるとしています。同一銀行で複数の口座を持ちたい場合は、ホームページや最寄りの支店で確認しましょう。