耳を澄ませて白熱のラリー 松本で全国視覚障害者卓球大会
全盲や弱視の競技者が全国から集う「第20回全国視覚障害者卓球大会」が3日、長野県松本市波田体育館で始まった。日本視覚障害者卓球連盟(保坂正勝会長)が主催し、これまで東京や大阪、札幌など大都市を中心に開かれてきた大会で松本開催は初めて。松本地域の高校生や大学生のボランティアも活躍し、視覚障害者スポーツへの理解を深めている。4日まで。 鉄球入りのボールを転がして音を頼りにプレーするサウンドテーブルテニスを全盲・弱視別、男女別に競う内容で、70人が出場した。ボールの音が聞こえるように「静かな応援」が求められる中、選手たちは集中してボールを打ち合い、観客は固唾をのんで見守っていた。 会場では松本地域の選手やボランティアも活躍した。開会式では安曇野市の全盲選手・山本真由香さん(27)が災害や感染症を念頭に「大会が無事開催され舞台に立てることに感謝し、正々堂々と戦う」と宣誓。高校生や大学生ら多くのボランティアが選手の誘導やボール拾い、救護などを担い、松本市のエクセラン高校ボランティア部の生徒は「間近に競技に触れ、誰もがスポーツに打ち込める環境は大切だと感じた」と話していた。 大会事務局を務める県STTクラブの住吉実・県松本盲学校教諭(50)は「平面を転がす卓球は視覚に障害があってもなくても楽しめる。理解が広がり、興味を持つ人が増えてくれれば」と話している。4日は午前9時~午後2時。
市民タイムス