連載終了、地上波放送なくても…「映画で号泣した」小学生も熱くする青春バレー漫画『ハイキュー!!』の魅力とは
バレーボールをする高校生たちの青春を描いた「劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦」の勢いが止まらない。2月16日の公開から10日間で動員290万人、興収41億8千万円を突破。原作マンガ「ハイキュー!!」の週刊少年ジャンプでの連載終了から3年半、最後の地上波アニメ放送から3年3カ月も経つが、根強い人気があることを示した。現在の高校生や大学生はハイキュー!!世代とも呼ばれ、「ハイキュー!!を見てバレーを始めた」という選手も多い。それでは、現在の小学生たちはどうなのだろうか? ハイキュー!!は今でも人気なのだろうか? 長野市内のジュニアチームの練習会場を訪ね、子どもたちの声を聞いた。 【写真】広徳ジュニアの「飛べ」横断幕。烏野高校と同じ文字を採用した
「菅原さんがかっこいい」「月島君が好き」
取材したジュニアチームは「広徳ジュニア」。男子チームには小学1~6年生の15人、女子チームには2~6年生の21人が在籍している。男女とも平日は週2日の練習に励み、土日は試合に挑んでいる。男子チームの横断幕の文字は「飛べ」。ハイキュー!!の主人公・日向翔陽が所属する烏野高校男子バレーボール部と同じ文字だ。10年ほど前にチーム結成10周年を記念して制作した際、当時爆発的人気だったハイキュー!!を意識したという。 そんな横断幕を「かっこいい」と話す男子チームの下里龍太朗君(11)=5年=は、ハイキュー!!をきっかけにバレーを始めた。「小2の終わりにアニメを見て、バレーがやりたくなった」と話す。下里君が小2の終わりの頃にはアニメの地上波放送は既に終わっていたが、「Netflix(ネットフリックス)で見た」と言う。ハイキュー!!の好きなところは「日向たちが試合に負けて、悔しい思いをしても、それを無駄にしないで生かしてリベンジする姿」。好きなキャラクターは烏野高校副主将の菅原孝支。スタメンではなく試合に出る機会は少ないが「声を一番出して、チームを盛り上げているところがかっこいい」。映画は公開翌日に鑑賞した。 女子チームの唐木結愛(ゆま)さん(12)=6年=は、小4でバレーを始めてからハイキュー!!の存在を知った。「Amazonプライム・ビデオで見て好きになった」。配信されているアニメは全部鑑賞し、マンガも読んでいる。好きなキャラクターは烏野高校の月島蛍。「ビジュアルもいいけど、どんどんバレーにはまっていくところが好き」。公開翌日に鑑賞した映画では「登場人物がみんなかっこ良すぎて、試合後に号泣した」。 保護者や指導者によると、クラブの大半の子どもはハイキュー!!が好き。週刊誌連載や地上波の放送がなくても、Amazonプライム・ビデオやNetflixといった動画配信サービスを通じてアニメに触れる子どもが多いようだ。ただし、全員がハイキュー!!を見ているわけではない。渡辺穂花さん(8)=2年=は「見たことない。でも、みんなが好きって言うから見てみたい」と話した。