竹内涼真「自分を大切にできないなら、周囲ともうまくいかない」
世界的大ヒットゲーム『龍が如く』をオリジナル脚本で実写化した、Amazon Originalドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』で主人公を演じる竹内涼真。任侠の世界で戦い続ける男を演じた壮絶な覚悟、そしてかつての自身の経験を語る。 【写真】『龍が如く~Beyond the Game~』で主人公を演じる、竹内涼真
自分が持っている感情の引き出しと役の人生を結びつける
「その役に自分が近づくのではなく、自分にその役を近づける。この作品では、まずそういう作業から始めました」 歌舞伎町をモチーフにした歓楽街・神室町を舞台に戦いを繰り広げる、2005年にリリースされたゲーム『龍が如く』シリーズ。ゲームを原案にオリジナル脚本で描く実写版Amazon Originalドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』で主演を務める竹内涼真はそう、穏やかに語り始めた。 原作であるゲームは世界的ヒットを記録、熱狂的なファンも多くいる作品だ。 「だからこそ、僕らは実写化ならではの新しい『龍が如く』をつくりあげないとならない。僕が演じた桐生一馬のファンはとても多いですから、僕が役に近づこうとどんなに努力をしても見る人によっては、絶対どこかにギャップを感じるはず。 だから役に近づくのではなく、自分に役を近づければ、きっと新しいものができる。そう考えてこの役に挑みました。 受け入れてもらえるかどうか、プレッシャーはものすごくありました。でもそれを捨てるところからしか、スタートできませんでしたから」 幼少期は児童養護施設で育ち、任侠の世界に入るという波乱の人生を生きる主人公を、どのように「竹内涼真に近づける」ことができたのだろうか。 「すごく内面的なことなんです。自分が持っている感情の引き出しと、役の人生を結びつけるんですよ。 なぜ主人公は任侠の世界で強さを求めるのかと考えた時、きっと愛を求めているんだ、そう僕は理解したんです。両親がいない環境で育った彼は、大人になっても必然的に愛情を求めてしまう。そして自分を認めてもらえる任侠の世界で生きることを決めた。 そういうふうに彼の人生について考えて、そして竹内涼真自身が感じたことを、表現していけばいい」 役に関わる環境を深く理解するため、竹内は自ら児童養護施設を訪れた。 「どんな子供たちがいて、どう大人になっていったのか。職員の方からいろいろなお話を伺いながら、桐生という役のイメージを、自分に引き寄せていきました」