トランプ大統領の外交ブレーンが警告「台湾有事に備えよ。中国は日本人に、価値観や生き方の変更を迫ってくる」
アジアを防衛せよ
これらはすべて不確かな予測です。確実なのは、「中国は台湾武力統一の準備のために必要なことをすべてやっている」という事実です。 中国はアメリカの200倍以上の造船能力を持っており、アメリカよりも核兵器の製造数は多い。その理由は、アメリカとの最終的な大規模戦争を想定しているからとしか思えません。 私たちはもはやフランシス・フクヤマの言う「歴史の終わり」(自由民主主義によって安定した政治体制がつくられるという主張)ではなく、たやすく戦争が起こり得る世界に生きています。実際、ウクライナやガザでは戦争が起きました。 新たな戦争を起こさないためには、アメリカが現在、ウクライナや中東に使っている軍事資源を、アジアに優先して集中させるべきです。 ウクライナや中東での戦争を早く終わらせ、そのぶんのコストをアジアの防衛に使わなくてはなりません。
ロシアに近づくわけではない
トランプ政権がウクライナの停戦に尽力する―それは決してロシアに近づいてウクライナを見捨てるということではなく、トランプ氏及びその周辺が「そのカネやコストをアジアに振り分けなければ、必ずアジアで新たな紛争が起こる」と考えているからだ、とコルビー氏は力説する。 後編記事『トランプ大統領の外交ブレーンが緊急提案「中国に対抗するために、米軍と自衛隊を統合された勢力にせよ」』に続く。 (聞き手/大野和基) 「週刊現代」2024年12月7・14日合併号より
週刊現代(講談社・月曜・金曜発売)