まち歩きでアイデア続々 空き家活用考える、和歌山県上富田の防災プロジェクト
まち歩きをしながら、空き家や空き店舗の活用を考えるイベントが23日、和歌山県上富田町のJR朝来駅周辺であった。歩行者目線でまちを見つめ直した参加者からは、「レトロな雰囲気を生かしたい」「高校生が集う場にしたい」など、にぎわいを呼ぶアイデアが続々と生まれた。 【安心の地域つくりたい かみとんだ防災プロジェクト、和歌山の記事はこちら】 近い将来発生が予想される大規模地震に備え、安全安心な地域社会づくりを目指す「かみとんだ防災プロジェクト」(統括・後棟晃さん)の取り組み。プロジェクトでは1軒の空き店舗を借りており、防災の拠点や集いの場としての活用を検討する。 この日は、高校生から高齢者まで25人が参加。建築士らの案内で、朝来駅から円鏡寺付近まで旧道と呼ばれる細い道路を町並みを観察しながら歩き、借りている空き店舗などを視察した。朝来駅前の交流施設「つくるとつなぐ」では、「旧道にどのようににぎわいを生むか」をテーマに意見を出し合った。 「旧道に名前を付けて愛着を生む」「レトロな雰囲気を生かして出店者を誘致し、飛び飛びでも商店街をつくる」「時間限定で交通規制をし、歩行者天国にする」「高校生が立ち寄りたくなるケーキ店などを誘致したり、イベントを開催したりする」などのアイデアがあった。 同町在住で田辺高校2年の鈴木葵さんは「普段は車に乗せてもらって通る道で、歩くと新たな発見があった。高校生が集まるようになれば、他の世代も集うようになる。『面白いことをしているぞ』と伝わるように、SNSでどう発信するかも重要。レトロな雰囲気は若者好み。空き家の活用でどんなまちができるか。考えるだけでわくわくする」と話した。
紀伊民報