米労働市場は「買い手有利」に、ホワイトカラーの雇用が減少し競争激化
すでに職についている人にとっても働き続けることは簡単ではない
Workdayによると通信、メディア、テクノロジーの分野で競争倍率は最も高く、1件の求人に対して平均30人が応募し、この数は前年比36%増だ。これらの分野は近年、人員削減の影響を大きく受けており、その結果、新たな仕事を探す人が大幅に増加している。 求職者は、専門とする分野以外でも職探しをすることで、競争の激化に適応している。だが業界を飛び越えるという戦略の結果はまちまちで、多くの求職者は専門以外の分野への転職に難しさを感じている。 グローバル・ワークフォース・レポートによると、テック部門の労働者の大部分(65%)は専門以外の分野の職種にも応募しており、うち40%が採用されている。同様に、ビジネスサービス分野の労働者の70%が別の分野での職探しを行ったが、職を確保できたのは40%にとどまった。また、金融業界で働く人の40%が業界以外で仕事を探し、就職できたのは30%だった。 求職者は多くの困難に直面しているが、すでに職についている人にとっても働き続けることはまったく簡単ではない。多くの人が変化のない状況に不満を感じている。 従業員は積極的に成長機会を求めているが、現在の職場での昇進への道は狭まっている。Workdayが買収したHiredScoreのデータによると、雇用主は経験豊富な人を社外から採用する傾向が強まっており、過去1年間の社内採用率は横ばいだった。 こうした傾向は従業員の上昇志向を著しく抑制し、従業員は現在の職務に固定され、身動きが取れないと感じている。 「ほとんどの業界で従業員の自然減は依然として少ないが、雇用主が最も引き留めたい人材であるポテンシャルの高い従業員が、成長やもっと有意義な仕事を求めて職探しをする傾向が顕著になっている。多くの労働者が長い間閉塞感を抱えていたため、2024年に雇用が回復するにつれて、最も能力のある労働者がいよいよ動き出したのだと思う」とウィルバーンは指摘した。
Jack Kelly