京都金杯Vのサクラトゥジュール、光ったキング騎手の手綱さばき 後方のインで脚温存→残り1Fでエンジン全開
◇5日 第63回京都金杯(G3・中京・芝1600メートル) 後方からの競馬になった単勝6番人気のサクラトゥジュールが直線で馬群から抜け出して、重賞2勝目を挙げた。レイチェル・キング騎手(34)、堀宣行調教師(57)=美浦=は共に京都金杯初勝利となった。 新春の中京で桜が満開だ。直線で馬群をさばいて鋭く伸びた6番人気のサクラトゥジュールが関屋記念13着から巻き返して重賞2勝目を挙げた。2年連続の来日となったキングも、同馬とともに制した昨年の東京新聞杯以来の重賞勝利。「また一緒に重賞を勝ててうれしいです」と今年の来日1週目での会心の勝利に笑顔を見せた。 さすがの手綱さばきが光った。道中は後方のインで脚を温存。3角過ぎから徐々に内から押し上げると、直線では進路を探しながら脚を伸ばし、残り1Fで前があくとエンジン全開。最後は内のロジリオン(3着)をかわし、外から猛追したウォーターリヒト(2着)を首差押さえ込んで、ゴール板を駆け抜けた。 東京新聞杯と同じく内をさばいた内容に「同じプランでした。前半リラックスした分、今回も最後に勝負強い脚を見せてくれましたね」と汗をぬぐったキング。去勢明け初戦の8歳馬の勝利に、「レース前もいい意味で気合が入っていて元気いっぱいでした」と衰えがないことも強調した。 馬主である「さくらコマース」の全尚烈会長は「年始めに最高ですね」と満面の笑みをみせた。「サクラ」の冠名が金杯を勝つのは、1995年の中山金杯(サクラローレル)以来、30年ぶり。「ローレルはその後に有馬記念を勝ちましたからね。この馬も幸先のいいスタートが切れましたし、無事なら東京新聞杯連覇を目指したいです」と全会長。老いてなおたくましいサクラが、今年のマイル路線を鮮やかに彩りそうだ。
中日スポーツ