【阪神】佐藤輝明が今季初の奪首弾 雨で「滑りまくり」もリーグトップ14打点
◆JERAセ・リーグ 阪神3―0中日=7回降雨コールド=(21日・甲子園) 降りしきる雨を切り裂いた。0―0の6回2死一、二塁、阪神・佐藤輝明内野手(25)がフルカウントからの8球目の甘く入ったスライダーを右翼席へ3号3ラン。「何とか点を取ろうという意識だった」。降雨コールドの可能性が高まる中、待望の先制点。チームは4位で迎えた14日の中日戦(バンテリンD)から1分けを挟み6連勝で、今季初の首位を奪った。 開始は53分遅延。何度も土を補充して続行されたが、雨がやむことはなかった。佐藤輝は「いやもう(打席は)滑りまくり」と頭をかいたが「気持ちは切らさず」と一点集中だった。直後の7回表終了後にコールド成立。序盤からバントを多用し、先取点にこだわっていた岡田監督は「いつ止めてもいいような状態。あそこで3点は大きかった。お客さんのためにも絶対にやるという気持ちでいた。寒かったと思うけど、いい試合を見せられて本当に良かった」と4万2590人の大観衆に応え、胸を張った。 18日まで球団ワーストタイの10試合連続2得点以下。その間を4勝4敗2分けの勝率5割で乗り切った。指揮官は「辛抱したのが(大きい)。野手がちょっとふがいなかったので。野手の奮起がこの3、4試合のいい結果になった」と首位奪取の要因を語り、昨季の4月終了時点の貯金3に届いたことも力説。「去年は5月を貯金3でいった(迎えた)のが早く出たかなという感じですね」と余裕の笑みを浮かべた。 佐藤輝は今季の3本塁打が全て決勝弾。打率は2割1分8厘と低調だが、2戦連続3打点で14打点に伸ばし、リーグトップに立った。「(打点は)投手が粘って前の野手がしっかり塁に出てくれているから。しっかり一試合一試合、勝ちを目指してやっていきたい」。プロ4年目の大砲の爆発で、猛虎の勢いがグッと加速した。(直川 響)
報知新聞社