迷走する韓国公捜処、こんがらがる尹大統領捜査(2)
与野党からも批判があふれた。尹大統領側の尹甲根(ユン・ガプグン)弁護士は「公捜処法のどこにも捜査一部を一任する規定はない」とし「捜査は工事を下請けさせるように他の機関に一任できない」と反発した。これまで公捜処を応援してきた野党「共に民主党」の朴賛大(パク・チャンデ)院内代表は「公捜処長の無能と優柔不断さを批判せざるをえない」とした。 2021年の発足以降、慢性的な人材不足と捜査力不在に苦しめられてきた公捜処は12・3非常戒厳事態捜査初期から混乱を自ら招いた。先月4日、非常戒厳が解除された直後、捜査TF(タスクフォース、作業部会)を設けたが、検察との重複捜査などの問題で家宅捜索・拘束令状は次々と棄却された。その後、検察の捜査共助協議要請を拒み、警察と協力して共助捜査本部を設けた後、検察の反発にもかかわらず事件移行要求権を発動した。 3日午前にも逮捕令状執行を事前予告したため、警護処は官邸にバス・乗用車で幾重にも車壁を築き、警護処はもちろん首都防衛司令部派遣兵力まで動員して1・2・3次阻止線を巡らせたが、そもそも公捜処はまともに人材の準備をしなかった。李載昇(イ・ジェスン)公捜処次長が6日、「1次執行の時、200人がスクラムを組んで阻止した。これほどの抵抗は想定外だった」とし、現職大統領の逮捕を軽く考えていた判断が誤りだったと自認するくらいだった。 一方、国捜本は尹大統領に対する逮捕令状執行に再び動いた際に大統領警護処関係者が執行を妨害する場合、積極的に逮捕する方案を検討している。現在、朴鍾俊(パク・ジョンジュン)大統領警護処長とキム・ソンフン警護次長ら4人の警護処関係者が特殊公務執行妨害容疑で立件されている。 彼らは全員、警察の出席要求に応じないでいる。 国捜本によると、当初警護処が「後方勤務転換」と説明していたこととは違い、3日に1回目の執行を試みた際、官邸に向かう進入路入口1次阻止線から軍部隊兵力30~40人が「人間帯」として動員された事実が映像採証などで確認された。国捜本は1~3次阻止線に首都防衛司令部第55警備団・第33軍事警察警護隊などの兵士が動員された情況を把握して捜査している。当時、これら兵士は階級章を付けないで軍服の代わりに黒のダウンジャケット、帽子、マスクで服装を統一したという。