インバウンドは回復したが、商業施設は経営再建に閉店も…2024年の鹿児島経済を振り返る
■最低賃金56円引き上げ 人手不足や物価高騰を受けた全国的な賃上げの波は鹿児島県にも広がり、春闘では満額回答が相次ぐなど高水準の結果となった。 鹿児島地方最低賃金(最賃)審議会は8月9日、物価高や地域間格差是正を考慮して時給953円を答申。10月5日から適用された。引き上げ額の56円は、2002年度に時給で示す方式になって以降、最大の上げ幅となった。 23年度の897円は都道府県別で下からは3番目に低く、最も高い東京都と216円の開きがあったが、東京は本年度50円増の1163円だったため、差は210円と6円縮まった。 ■商業施設に動き 1975年にダイエー鹿児島ショッパーズ・プラザとして開業し、「カモダイ」の愛称で親しまれたイオン鹿児島鴨池店(鹿児島市)が8月末、施設の老朽化を理由に閉店した。最終日は、思い出の場所を目に焼き付けようと約2万人が訪れにぎわった。建物は今後取り壊され、イオングループが複合型施設などの再開発を検討する。
鹿屋市白崎町のプラッセだいわ鹿屋店跡地には11月21日、大隅半島初出店となる「イオンかのやショッピングセンター」が開業した。鉄筋コンクリート4階建て、延べ床面積2万5289平方メートル。イオン直営店のほか、大隅地区初出店となる無印良品など20の専門店が入り、初日は開店前から約1500人が並んだ。 JR鹿児島中央駅ビルのアミュプラザ鹿児島は9月17日、開業20周年を迎えた。2004年3月の九州新幹線一部開業から半年後オープン。陸の玄関口に新たな商圏を築き鹿児島のランドマーク的存在に成長した。
南日本新聞 | 鹿児島