2025年は巳年、ヘビにちなんだ車あれこれ…イギリス、アメリカ、欧州、日本
2025年は巳年、蛇の年。ヘビに関連した自動車の車名で思いつくのは……。 まずAC『コブラ』。シボレー『コルベット』対抗を模索していたフォードが、イギリスのACカーズと組んで開発した軽量スポーツカーだ。1963年から1000台ほどの車体がイギリスで製作され、アメリカでV8を搭載した。 【画像全15枚】 フォードモーターの4.2リットルV8エンジンは、その後「コブラ」の形式名を持つようになる。ACコブラにも「~スネーク」といったサブタイプが存在していた。ACコブラを企画したのがスポーツカーデザイナーのキャロル・シェルビーだ。 フォードとACとの協力関係が終了したのち、シェルビーは70年代に『マスタング』の高性能仕様、「シェルビー・マスタング」を開発、生産する。これにコブラのエンブラムがあしらわれていた。またACコブラと同様に「スーパースネーク」というサブタイプがあった。 90年代、「コブラ」はマスタングの高性能仕様のタイプ名に用いられていた。21世紀になるとマスタングベースのレース仕様を「シェルビー」と呼ぶようになり、コブラのエンブレムが装着された。現在、フォードのカタログモデルに「コブラ」の名を持つものはないが、コンセプトモデルにしばしば使われるなど、伝統のネーミングとなっている。 キャロル・シェルビーはクライスラーグループにも協力しており、コブラと同じ毒蛇を車名にもつダッジ『バイパー』が90年代に誕生する。 欧州では、アルファロメオのマークに、人を飲み込む大蛇がデザインされていることが広く知られている。これは本拠地ミラノの名家、ヴィスコンティ家の紋章に因む。 日本では光岡自動車が『オロチ』というスーパーカーを作っていた。少量生産のスペシャリティカーメーカー、カスタムカーメーカーには、ブランド名や車名で蛇に因むものがあるかもしれない。塗料やアクセサリーの名前にもありそうだ。 現在はフォルクスワーゲンの傘下になっているが、イタリアのデザインハウス、イタルデザインは1980年に『メドゥーザ』コンセプトを提案している。ランチアのメカニズムを用いた空力スタディだ。ただし車名は、髪の毛が蛇の神話の怪物ではなく、おそらく水生動物の「クラゲ」だろう。
レスポンス 高木啓