従業員への暴言や過剰な要求…「カスハラ」2割が経験 長野県内企業へのアンケートから
従業員の休職・離職が社会問題化
信濃毎日新聞社が県内の主要企業に実施した経済アンケートで、顧客や取引先による従業員への暴言、過剰な要求といった迷惑行為「カスタマーハラスメント」(カスハラ)を巡り、過去3年以内に被害を把握したり、従業員から相談を受けたりしたことが「あった」と答えた企業は23%だった。カスハラは、従業員が休職や離職に追い込まれるなど社会問題化しており、国も対策を強化する方針を示している。 【グラフ】カスハラの具体的な内容は?
非製造業で目立つ被害
年2回実施する本社の経済アンケートで、カスハラについて尋ねたのは初めて。「ない」は57%、「分からない」は20%だった。「あった」と回答した企業は製造業が11%、非製造業は35%。製造業と比べて、より顧客らと接する機会が多い非製造業で被害が目立った。
業種別では「小売」が最多
非製造業の業種別では、小売が63%で最多。運輸・運搬が56%、金融が55%で続いた。製造業では繊維が最も高い33%で、輸送機械が25%、化学が20%の順だった。
具体的な被害、「暴言・罵声」が78%
被害があったと答えた企業には、具体的な内容も複数回答で尋ねた。最も多かったのは「暴言・罵声」の78%で、非製造業では82%に上った。
経済アンケートは5月下旬から約1カ月間、県世論調査協会に委託して実施。255社が答えた。