本音と建前を絶妙に表現…“いけず文化”の京都人と名古屋人に「気質が似ている説」言葉の中に自虐と誇り高さ
2023年、“本音と建前”を表現する京都の「いけず文化」を描いて土産商品にした両面ステッカーが話題になりました。東海3県の県民の“本音と建前”について調べると、それぞれに特徴があることがわかりました。 【動画で見る】本音と建前を絶妙に表現…“いけず文化”の京都人と名古屋人に「気質が似ている説」言葉の中に自虐と誇り高さ
■話題になった京都の「いけず文化ステッカー」…実際にはどう見分けたらいいのか
意地の悪いさまを表す「いけず」は、「言いづらいことを遠まわしに伝える」表現で、ステッカーでは、日常の“あるある”なシーンを舞台に、本音と建前が表現されています。
郵便物をテーマにしたステッカーでは、不要なチラシを入れないでほしいことを伝える時、ステッカーのオモテ面の「建前」は「小っちゃい郵便受けしかおへんですんまへん。おおきに、はばかりさん。」と書かれています。
はばかりさんは「ごくろうさま」の意味で、優しくねぎらっているようですが、裏面の「本音」は「しょーもないチラシいれんな。迷惑やねん。」
食べるときにクチャクチャ音を立てて食べないでほしいことを伝える時は、 表面の「建前」は「知っといやすか?蕎麦はズルズル美味しそうに食べてもよろしおすねん。」
しかし裏面の「本音」は「クチャクチャクチャクチャうるさいねん」と書かれています。
ステッカーを作成した「ない株式会社」の担当者に作った理由を聞くと「いけず文化は“観光資源”になると思ったから」 と独特の文化に目を付け、きっかけは「トイレによくある張り紙の『きれいに使っていただいてありがとうございます』がヒントになり、きれいに使う前提で勝手に話を進めるこの言い回しはいけずだな」と思ったということです。
京都の人の本音と建前の見分け方については「会話中にいきなり褒められる、文脈と違う言葉が入ってきたら、もしかするといけずかもしれません」と話しています。
■京都と似た気質?「よその人は乗ってはいけない」名古屋人の自虐話
東海3県の“本音と建前”についても調べてみました。名古屋の人の“本音と建前”では実は、京都人と名古屋人の気質が似ている、という説があります。 著書をはじめ、メディア出演多数の“名古屋通”で、名古屋文化研究家の川合登志和(かわい としかず)さんに話を聞きました。 名古屋文化研究家の川合登志和さん: 「名古屋も表と裏、本音と建前というのは結構ある地域だと思います。一言で言えば自虐文化ですよね。昭和の頃は大いなる田舎と言われたり、『ひょっとしてちょっと馬鹿にされているのかな』という警戒心が常にあると思うんですよ。その反動で『名古屋の観光、良い所いっぱいあるよ』と言いたいんだけど、いざ他所の人が来たときに『思ったより大したことなかったよ』と言われたくないという。だからあらかじめハードルを下げて下げて下げて」