仏サプライヤー「ヴァレオ」の電動化に向けた最新技術に注目してみた
サーマルカメラに可視光カメラを組み合わせた新技術
ヴェレオでの出展では「サーマルカメラ」も注目された。熱を検知して温度分布を可視化できるこのカメラの特長を活かし、歩行者や動物などを検出するが、この機能自体は決して珍しいものではない。 ヴァレオではこの機能に可視光カメラを組み合わせることで、可視化性能を飛躍的に向上させたのがポイントとなる。会場ではその効果がわかるデモも実施し、可視光カメラだけでは捉えられない被写体を鮮明に捕捉する状況を披露した。 また、この「サーマルカメラ」は、LiDARやミリ波レーダーなど他のセンサーとの組み合わせも可能にしており、用途に応じた幅広い展開に対応している点も関心を集めていた。 今回の出展では、二輪車向けADAS「アドバンスド・ライダー・アシスタントシステム」の出展も興味深かった。これは単眼カメラを使って前方を検知し、障害物や前方車両への接近を警告して事故を未然に防止するものだ。 ただ、四輪車のように自動ブレーキなどは作動させることはしない。これは、二輪車においては、突然の制御によって転倒する危険性が高くなってしまうからだ。とはいえ、今後はオートハイビームや道路標識認識、車線逸脱防止などへの対応も進めていく予定だという。 二輪車関連では、「48Vスモールモビリティモータージェネレータ」を二輪車の電動化に活用するシステムも展示された。ヴァレオはこれまでこのジェネレータを都市向け小型モビリティ用として展開してきたが、小型軽量であることを活かして2輪車のフレームへの搭載も可能にした。 最大出力は8kWの48V空冷式モーターとなっており、すでに試作モデルも出展。今年1月に開催されたCES2024では試乗することもできた。ヴァレオによれば市販も視野に入れて準備を進めているという。