競輪で最多909勝・獲得賞金29億円…56歳神山雄一郎が引退「一生続けたかった」
公営競技の競輪で、GI(特別競輪)史上最多の16勝を誇り、五輪にも2度出場した神山雄一郎(56)が24日、現役引退を発表した。この日の記者会見で、「競輪が好きで一生やり続けたかった。こんな素晴らしい競技は本当に世界中、探してもないんじゃないかな」と話し、36年の現役生活を振り返った。
栃木県出身の神山は1988年にデビューし、93年のオールスター競輪でGI初勝利。年間最優秀選手に最多タイの6度輝き、生涯獲得賞金は29億円を超えている。通算勝利は現役最多の909勝。自転車競技で96年アトランタ、2000年シドニーの2大会で五輪代表に選ばれた。
「(競輪は)本当に人生そのもの。負けても次のレースで1着取ってやろうと思って走ってきて、なかなかやめられなかった」と神山。ライバルとの戦いが財産だったといい、「上を目指して一緒に戦って、みんな素晴らしい選手だった」と涙を浮かべた。
6月の函館(北海道)のレースで失格し、トップ選手が入る「S級」から「A級」への降格が確実となった。「函館のレースが(引退決断の)引き金になった」と説明。今月23日の取手(茨城県)でのレースで勝ったのが最後となった。
数々の記録を打ち立て「よくやったと思う」と満足げ。「負けたとしてもやりきったレースがあって、勝って釈然としないレースもある。負けの中にも、価値があるのが魅力だった」と話した。