【KNOCK OUT】龍聖が立ち直った母の言葉と使命感「魔裟斗さん、HIROYAさん、僕という流れで日本のキックボクシングの血が流れている」
■僕からすると『MMA、ふざけんなよ』
──久々の試合っていう点についてはどうですか? 「久々ということよりも、負けてからの復帰戦というのが初めてで、次負けたら2連敗になるじゃないですか。そうなったらたぶん本当に多分終わりだと思うので、当日はたぶんすごく緊張するんだろうなというのは思いますね」 ──今までにないぐらいの緊張ということですか。 「今までは負けたことがなかったから、負け方も分からなかったんですよ。『負けるのは怖いな。もしかしたら負けるのかな』という感じで。でも今は負けを知っているので、また負けたらどうしようと思いますし。今回、負けるとしたら意識を飛ばされて負ける感じるだと思うんですけど、しっかり戦って判定まで行ったら、絶対負けるわけがないと思いますし」 ──「負けるとしたら」ということも考えるんですか。 「1回経験しましたからね。負けるとしたらパコーン!と倒されると思うんですけど、意識が戻った瞬間の絶望感は怖いですよ」 ──そうならないように、ガードなどの基礎をずっと練習してきたわけですよね。 「そうですね。そうなる確率が本当に低くなるように、徹底して一生懸命やってきましたね。だから最後は自分信じてベストを尽くそうと思います」 ──この業界は流れが速いから、半年リングに上がってなかったことで…… 「忘れられちゃいますよね(笑)。他のイベントでも今、日本の格闘技、キックボクシングを引っ張ってきた選手たちがどんどん負けちゃってるじゃないですか。僕らはその選手たちよりちょっと若いですけど、ここで止めたいというか、キックボクシングには僕がいるぞというところを見せたいですね」 ──この先については、今回勝ってからという感じですか? 「今回勝ってISKAのベルトを巻いて、来年は6月と12月、代々木第二のビッグマッチはもちろん僕が出ないといけないと思ってますし、6月に久井大夢と1年越しにもう1回やるというのは、自分の中では決めています。今は日本の格闘技界が変わっていっているというか、BreakingDownみたいなものもあったりする中で、昔は『格闘技といえば日本』という感じだったのが、今、日本のキックボクシングの選手は海外に行ったりMMAに行ったりというのが目立っていて、それはよくない流れだと思うんですよね。そこで、魔裟斗さん、HIROYAさん、僕という流れで日本のキックボクシング、日本の格闘技の血が流れていると思うので、守っていく義務というか責任があると思っているし、僕がいることで日本の立ち技を輝かせたいと思っています。ONEに行くとかじゃなくて、日本のキックボクシングを輝かせたいし、今、頑張っている子供たちとか、プロの試合を見て、これからやりたいなと思ってる子供たちが憧れられるものを見せたいんですよ」 ──日本の格闘技、日本のキックボクシングの未来のためにも。 「はい。僕らの頃はK-1を見て格闘技を始めたんですけど、今の日本だとRIZINを見て始めるから、憧れるのはMMAになっちゃうと思うんですよね。でもそうじゃなくて、僕はこのキックボクシングやムエタイ、立ち技が大好きなので、今頑張っている若い子たちが憧れて、稼げる業界にしたいし、僕はブレずにそういうものを作っていきたいと思っています」 ──『KNOCK OUT』は立ち技のイベントとして、その方向に進んでいると思うので、そこで育ってきた龍聖選手がそういう思いを持って押し進めるというのはいいことだと思います。 「ただ、山口代表にも反逆したいという気持ちがあるんですよ。『KNOCK OUT』にもUNLIMITEDルールが入ってきて、山口代表はUNLIMITEDが大好きそうだし、『KNOCK OUT』の中でもそういう流れがあるわけじゃないですか。僕はキックボクシングを守るというか、そこにも打ち勝っていきたいなと思います。魔裟斗さんは以前、『ヘビー級、ふざけんなよ』って言ってましたけど、僕からすると『MMA、ふざけんなよ』なんですよ。絶対こっちの方が面白い試合してやる、俺の試合の方が面白いぞっていうのを見せていきたいです」 ──今回はそのためのリスタートでもありますね。では最後に、そんな中今回の試合で、一番注目してほしいポイントはどこでしょうか? 「僕の半年ぶりの試合を楽しみに見てほしいですね。僕は『右ストレートを見てほしいです!』みたいな気持ちはあんまりないんですよ。何というか……魔裟斗さんって、現役の最後の頃はKOが少なかったじゃないですか。でも、みんな『魔裟斗の試合が見たい』って思ってたんですよね。あと、メイウェザーの試合って『つまらない』とよく言われるけど、メイウェザーが試合するとなるとやっぱり興味があるし見たいなと思うんですよ。そういう選手になりたいんですよね。もちろん試合内容でしっかり沸かせるというのは、プロとして必要なことだと思うけど……古木君とかにしても、勝ち負けは関係なく、彼の試合って見たくなるじゃないですか。あれがプロだなと思ってて。だから僕の何かを見てほしいというよりは、誰が出るかというのを見てほしいですね」
ゴング格闘技
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