気になるJujuのチームメイトは誰に? TGM Grand Prix、数多のF2経験者と交渉も合意には至らず。開幕前テストの段階では最終決定しない可能性も
2月15日、日本大学の三軒茶屋キャンパスにて、2024年からスーパーフォーミュラに参戦するJuju(野田樹潤)の活動計画発表と、彼女が乗るTGM Grand Prixの53号車のカラーリング発表が行なわれた。会場には一般メディアも多く詰めかけ、会見は華々しく行なわれたが、TGM Grand Prixがエントリーするもう1台のマシン、55号車に関する言及はなかった。 【画像】日本大学で行なわれたJujuの活動計画発表の様子 約1週間後の21日、22日には鈴鹿サーキットでの開幕前テストが控えている状況だが、この55号車に乗るドライバーはいつ発表されるのか? 会見にも登壇したTGM Grand Prixの池田和広代表に状況を聞いた。 自動車メーカー色の薄いプライベートチームとして存在感を放つTGM Grand Prixは、昨年末の鈴鹿テストにて53号車にJujuを、55号車に松下信治とラスムス・リンドを起用した。当時池田代表は取材に対し、テストに参加したドライバー全員が翌年のレギュラードライバー候補だと認めていたが、年明け早々にJujuの参戦は発表されたものの、55号車のドライバーについては「未定」とされたまま現在に至る。 ただ池田代表によると、55号車のドライバーはまだ決まっていないのだという。その候補はふたりまで絞られているが、チームが求める条件には達しておらず、鈴鹿テストには2台でエントリーするものの、そこで55号車に乗るドライバーを「今季のレギュラードライバー」として発表できない可能性が高いという。 「今は候補がふたりいます。ただ、うちは持ち込みのドライバーとの交渉になりますが、どちらもチームが求める条件に足りていません。そんな中でも進めなくてはいけないので、どちらが良いか……というところですが、なかなか条件が合わないというのが現状です」 そう語った池田代表。前述の通り、TGM Grand Prixはメーカーの後ろ盾やパーマネントのスポンサーを持たない新興チームのため、チームの運営資金は参戦ドライバーによる持ち込みの資金やスポンサーなどに頼らざるを得ない側面がある。1台あたりのバジェットについて正確な金額は明らかになっていないが、関係者の話を総合するに、1億円を優に超える金額であることは間違いなさそうだ。 TGM Grand Prixのシートを巡っては昨年末から多くの海外ドライバーが関心を寄せていた。噂として聞こえてきている名前は、フェリペ・ドルゴビッチやフレデリック・ベスティ、アーサー・ルクレールなど、F2の上位どころ、有名どころばかり。池田代表曰く「去年F2に乗って、今年乗らないドライバーとはほとんど全員話をした」というが、ただそういった有力ドライバーたちは軒並み持ち込み金額という点で条件が合わず、他のカテゴリーで報酬を得てレースをする道を選んだドライバーが多いようだ。 「去年の12月までは順調に来ていたはずでしたが……」と語る池田代表。「ドライバーのバックには投資家がいたりする場合もありますが、その投資家の考えが変わってしまえば、状況が一変してしまうということあります」と語るなど、交渉面では非常に苦労していることをうかがわせた。まずは、鈴鹿テストのエントリーリストでTGM Grand Prixの55号車にどんなドライバーがリストアップされるのかが注目だ。
戎井健一郎