万博、ホテルは人手不足に直面 事務デジタル化や設備投資で対応
2025年大阪・関西万博は会期中に約2820万人の来場を見込み、宿泊需要の高まりが期待される。ただ宿泊業界は慢性的な人手不足に直面。大阪市内のホテルは事務のデジタル化や設備投資で不足分を補い、サービスの質を確保しようと躍起になっている。 「ホテル阪急インターナショナル」は新型コロナ流行以降、業務見直しに着手。23年夏に、従来は夜間に手入力していた客室の清掃指示書を自動作成するシステムを導入した。 ホテル側が清掃員向けに用意する指示書は、宿泊客の人数だけでなくタオル追加といった個別の要望も含まれる。繁忙期は5時間かかることもあったが、導入後は1時間程度と大幅に短縮できた。夜勤スタッフの労働環境が改善されて人材確保に一役買った他、書き間違いによる清掃作業のミスが激減しクレーム防止につながっている。 システムを開発した清掃サービス会社「イーデヤンス」は清掃業務を手がける中で、紙による指示書の非効率さを痛感。22年からシステムの提供を始め、今年10月時点で大手ホテルを中心に計約2万室に導入されている。