プロ野球キャンプの柵越え本数に意味があるの?
「ボールに逆スピンがかからないと、打球というものに角度がつかないし、飛ばない。外国人のようにパワーに任せ、また東京ドームなどでは、回転を加えなくとも、オーバーフェンスしてしまう選手も稀にいるが、ボールにバットが入っていく角度、フォロー、スピン、そして下半身からの力の伝導、体の回転力などが、一致したときにボールは柵を越えていくわけで、形の確認という点で柵越えというものは決して意味のないものではない。本数が増えるということは、安定して同じ形で打てているという証拠。またメディアに報じられると、選手も自信をつけるし気分がいいものだからね」 伝説の強打者、阪神のランディ・バースは、試合前のフリー打撃でも逆方向の打球から始めて、最後はあえて柵越えを放って締めるのがルーティンだった。柵越え本数をとらえ「練習でいくら打っても」という声があることも確か。実戦で結果を出さないと一銭にもならないが、そこに至る過程として、柵越え本数にそれなりに意義はあるのだ。 ちなみに、今キャンプの最多柵越えは、阪神の福留孝介外野手(38)が沖縄・宜野座キャンプのフリー打撃で、2月3日に記録した。81スイング中32本だそうだ。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)