WBOアジアパシフィック・ウエルター級王者・佐々木尽5回TKO勝ちで東洋太平洋タイトルと2冠 リング上で「待ってろ世界」と絶叫
◆プロボクシング 「フェニックスバトル116」 ▽WBOアジアパシフィック(P)・ウエルター級(66・6キロ以下)タイトルマッチ&東洋太平洋同級王座決定戦12回戦 〇WBOアジアパシフィック同級王者、東洋太平洋同級1位・佐々木尽(TKO5回43秒)WBOアジアパシフィック同級1位、東洋太平洋同級2位ジョー・ノイナイ●(16日、東京・後楽園ホール) 地域タイトル2冠をかけ、WBOアジアパシフィック・ウエルター級王者・佐々木尽(八王子中屋)が16日、挑戦者でWBO同級1位、東洋太平洋同級2位のジョー・ノイナイ(フィリピン)と対戦し、5回TKO勝ちした。5回、左右のフックからの連打でダウンを奪い、レフェリーが試合を止めた。試合後はリング上で「待ってろ世界」と叫び、観客も「待ってろ世界」と呼応し、大きく盛り上がりを見せた。 戦績は22歳の佐々木が17勝(16KO)1敗1分け、28歳のノイナイが23勝(11KO)4敗2分け。 佐々木は昨年5月からの米ラスベガス合宿中に左肩の腱板を断裂。7月に行われた星大翔(角海老宝石)との2度目の防衛戦に11回TKO勝ちした後、内視鏡手術を行った。リハビリも順調に進み、試合前日の15日には「完璧ではないけれど、気にせずパンチを出せるくらいになった。96%ぐらい」と語っていた。この日は1回からロングフックなど、左からの強烈なパンチを披露。「試合では100%でしたね。痛みもなかった」と振り返った。 ノイナイのアッパーやワンツーなど被弾する場面も多く、「(手術後は)もうボクシングができないかもと思ったので、試合ができて幸せすぎて緊張してしまった」と苦笑い。「練習ではこんなもんじゃないんですけどね。まだまだですね」と反省を忘れなかった。 昨年7月の手術後に渡米。テレンス・クロフォードがエロール・スペンス・ジュニア(ともに米国)を下し、ウエルター級4団体統一を果たした試合を現地観戦した。日本人初の同級世界王者への思いは強まっている。現在はWBO4位、WBA、IBFが6位、WBCが9位と主要4団体で世界ランク入りしている。 今後、陣営は米国で強い相手とのスパーリングを重ねて自力を上げ、世界挑戦を目指す。ただし、王者から指名があれば、戦う準備は整えるという。佐々木自身はWBAレギュラー王者エイマンタス・スタニオニス(リトアニア)、WBC王者マリオ・バリオスに対しては「相性がいいと思っている」と自信を見せ、力をさらに蓄え、その時がくるのを待つ。
報知新聞社