西山朋佳女流三冠、棋士編入試験で連敗 第3局試験官の上野裕寿四段に敗れ通算成績1勝2敗に
将棋の西山朋佳女流三冠(白玲、女王、女流王将、29)が挑む棋士編入試験第3局が11月8日、大阪市の関西将棋会館で行われ、試験官の上野裕寿四段(21)に109手で敗れた。この結果、試験通算成績成績は1勝2敗に。合格には五番勝負で3勝が必要となるため、残り2戦で連勝が求められる厳しい立ち位置となった。注目の第4局は、宮嶋健太四段(25)と対戦する。 【映像】西山女流三冠、第3局終局の瞬間 白星発進を遂げた西山女流三冠だったが、連敗で苦しい立ち位置となった。注目の試験第3局は、前期の新人王戦、今年度の加古川青流戦覇者でもある若手強豪の上野四段が担当。2つの棋戦優勝を飾っている若手強豪とあり、西山女流三冠にとっては最大の試練とも見られていた。 そんな強敵を相手に、西山女流三冠はやや意表の四間飛車を志向。対抗形のねじり合いの将棋に、西山女流三冠が積極性を見せ主導権を握った。しかし、中盤から終盤にかけて両者の指し手のスピードがアップ。持ち時間を多く消費していた上野四段だったが、正確無比な指し回しで西山女流三冠を圧倒。一瞬の隙に抜け出すと、着実にリードを押し広げていった。 攻め合いとなった終盤戦では、西山女流三冠が必死に粘りの道筋を模索したものの相手の背中は遠い。最終盤で上野四段に力を封じられる形となり、投了を告げる結果となった。 勝利した上野四段は、「(四間飛車は)予想しておらず、意表を突かれた。前例の少ない形だったので一手一手手探りの状態で進めていたが、時間を使わされる展開となりバランスを取るのが非常に難しいと感じていた。(終盤に)角が使える展開となり、良い勝負になったのかなと感じていた。開き直って攻め合いでひょっとしたら良くなっているかもしれないと思っていた」とコメント。 また、試験官を担当したことには「難しい立場の中で自分の力がどれだけ発揮できるかが大事だと思って対局に臨んだ」。西山女流三冠については、「中盤では抑え込まれる展開となり、苦しいと感じていたので西山さんの強さだったのかなと思う」と印象を語っていた。 一方、敗れた西山女流三冠は「実戦ではあまり指していない戦型だが、第2局が終わった辺りで四間飛車をやりたいなと思って準備していた。負けてしまったところではあるが、新しいことを試して充実感もあったので、次回も課題をもって挑めればいいなと思う」と話した。 この結果、西山女流三冠の試験成績は1勝2敗と後が無くなった。合格に向けては、残り2戦で連勝が必要となる。より厳しさを増すことになる第4局は、宮嶋健太四段が試験官を務める。 (ABEMA/将棋チャンネルより)