斎藤・兵庫県知事 夜間、休日“チャット指示”のプレッシャー 官僚時代の経験、裏目に… 百条委
斎藤元彦・兵庫県知事のパワハラ疑惑などを告発した文書問題で、兵庫県議会の調査特別委員会「百条委員会」で8月30日に行われた、斎藤知事本人に対する初の証人尋問。さまざまなパワハラ疑惑について委員から質問が飛び、斎藤知事が証言した。 空飛ぶクルマは知事の直轄、勝手にやるな!斎藤知事が叱責 このうち、夜間や休日を問わず会議用アプリのチャットで幹部職員にメッセージを送り、叱責や指示をひんぱんに繰り返していたとされる疑惑(職員約9700人のアンケートで指摘)については、受け手の“精神的プレッシャー”が指摘されている。 例えば、午前1時前に、報告されていない報道記事を見つけた際の担当職員に、「あれほど、ネット記事などをチェックして、報告漏れがないかを確認する体制を整備しろといったのに、全くできていない。何をやっているのか」、このほか文化行事の日程調整に関して「(その1年前に日程調整に行き違いがあったことから)私は激怒していますので、(今年は)ちゃんと留意しておいてください」などと送信している。 この件について、ある委員が「業務上の付き合いしかない部下に、それ以上の意図を酌むのは酷なことではないか」と問うと、斎藤知事は「報告漏れや相談がなかったものへの指摘が多かった。『報告・連絡・相談をしてほしい』という思いがあった。案件によって、遅い時間や休日に送ったことは、適切でなかった。(特に新県政推進室のメンバーは、互いに)勝手を知る仲で甘えがあったかも知れない。そこは反省している」と述べた。 この委員は、斎藤知事が約20年前の総務省時代に秘書を務めた経験にも言及した。 これを受け斎藤知事は、「国と県の仕事の仕方は異なるが、例えば大きく報道されたことに関しては、想定問答を必ず作り、大臣をはじめ関係各所への報告が必要だと政務官や秘書官から厳しく求められる。私はそれをたたき込まれていた」と振り返る場面もあった。 さらに、こうした事実を踏まえ、「20年経ち、仕事のやり方も変わってきているが、変えないといけないという懸念はなかったか」との指摘もあった。 斎藤知事は、「チャットを使うなどして(伝達方法を)工夫してきたのは、レク(知事への説明)の時間を取れないため。備忘録的な使い方として、深夜に(幹部職員らにチャットを)送っていた。その時にレスポンス(返答)は明日でもいいなどと伝え添えるべきだった。私は自分でもどんどん仕事をしたいタイプで、県民の皆さんのために、どのような仕事ができるかを追求することが大事だと思っている」と述べた。 そして、「真摯に反省したい。職員への気遣いなどをしなかったのは、私の至らなさ。しかし、良い仕事の仕方をやってきたという思いは、これまでも今も変わらない」と、自らのスタンスは否定しなかった。 ・・・・・・・・ 次の百条委は9月5、6日に開かれ、斎藤知事は6日に再び出頭する。この日は告発文書をめぐる公益通報制度の運用のあり方や、物品受領(告発文書では「おねだり」と表現)疑惑についての尋問かある。
ラジオ関西