北の鉄路を考える⑤ 夕張駅の喫茶店は灯だったの巻 帰ってきた令和阿房列車で行こう 第三列車
私より少し先輩だとお見受けするご夫妻が切り盛りする店内では、地元の常連さんたちがくつろいでいた。当方が、旧夕張支線目当てでやってきたのを一目で見抜いたのだろう。何冊ものアルバムを持ってきてくれた。お義理でコーヒーのほかにケーキを頼むと、これが予想外に美味だった。夕張侮るべからず。コーヒーも薫り高い。まさに夕張の灯(ともしび)である。
気が緩んで、「廃墟(はいきょ)のホテルは…」と言いかけると、夫人に「休業中なだけですよ」と優しく訂正された。地元の人々にとってリゾートの再開は悲願なのである。中国系企業に安値でホテルやスキー場をたたき売った鈴木知事は、責任を感じていないのだろうか。鈴木知事がトップとなった道庁が、函館本線の存続に異様に冷淡なのも気になる。彼が市長時代に提唱した「攻めの廃線」の結末は、明日のこころだぁ!(乾正人)