10月の新米卸値、9月に続き最高値更新…今夏のコメ品薄受け業者間の「集荷競争」継続
コメの高値に歯止めがかからない。農林水産省が19日発表した2024年産米の10月の相対取引価格(卸値)は、全銘柄平均で60キロ・グラムあたり2万3820円となり、前年同月比で57%上昇。06年の調査開始後の最高値を9月に続いて更新した。スーパーなどの小売価格も高騰しており、家計を圧迫する状況はしばらく続きそうだ。 【表】主な産地の2024年産米の概算金
産地別の代表的な銘柄のうち、北海道産の「ななつぼし」は63%上昇の2万5241円、秋田産「あきたこまち」は55%高い2万3708円、新潟産「コシヒカリ(一般)」は36%高の2万3487円だった。
農水省によると、今夏のコメの品薄を受けて業者間の集荷競争が続いているほか、JAグループがコメを集荷する際に支払う「概算金」を引き上げたことも取引価格上昇の背景にあるという。
総務省の小売物価統計によると、東京都区部で10月のコシヒカリ以外のうるち米の小売価格(5キロ・グラム)は前年同月比70・4%高の3792円だった。9月の3152円(44・1%高)を大きく上回る水準で、都内のスーパーでは5キロ4000円を超える商品もみられる。
農水省が19日発表した24年産の主食用米の予想収穫量(10月25日時点)は679万2000トンで、23年産実績より18万2000トン増加する見通しだ。9月25日時点の見通しより4万1000トン下方修正したが、コメの需給に与える影響について同省は「販売や在庫の動向を見ないと評価できない」としている。