スピードクライミングで「世界新記録」の銅メダリストが誕生 母国メディアは「馴染みのない人にとっては教訓」「難問を生み出した」と持論【パリ五輪】
銅メダリストが「世界最速」を記録した。 8月8日に行われたパリ五輪、スポーツクライミング男子スピードの3位決定戦で、アメリカのサム・ワトソンが4秒74の世界新記録を樹立した。ワトソンは対戦相手であるイランのレザ・アリプルシェナザンディファルドを下して銅メダルを獲得した。 【画像】アスリートたちから批判殺到! パリ五輪選手村の全容をチェック 2日前に行われた予選でもワトソンは4秒75をマークし、その時点での世界記録を更新している。今大会で2度にわたり世界新記録を出しながら金メダルに届かなかったとして、アメリカメディアが競技の特性などについて持論を綴っている。 ワトソンの五輪での結果を受け、日刊紙『USA TODAY』が8月8日、公式サイト上において、「パリ大会の木曜日、スポーツクライミングがオリンピックの難問を生み出した」と報じた。 さらに、「独立したメダル競技として初めて採用されるスピードクライミングに馴染みのない人にとっては、教訓となる瞬間だった」と綴っており、その上で「スピードクライミングでは、タイムがシード順と世界記録を決定する。しかし、メダリストやエリートコンテストの勝者は、直接対決により決まる」と説明する。 ワトソンは準決勝で中国のウー・ペンに敗れ、3位決定戦に回った。予選通過後はトーナメント方式となるため、勝ち上がるには対戦相手を上回ることが求められる。大会中にどれだけ速いタイムを記録しようとも、一つのレースで相手に後れをとれば、頂点には辿り着けない。 同メディアは、「メダル獲得者を決定するためのフォーマットについて、ワトソンから不満は出なかった。むしろ、準決勝での“小さなつまずき”が、スポーツの本質を浮き彫りにしているようだった」と論じながら、「現在の世界記録保持者でありながらオリンピックの金メダルではなく銅メダルを獲得したことに落胆はしていないようだった」として、ワトソンの表情を伝えている。 銅メダルという結果について、ワトソンが「そういったことはすべて、内面的なものではなく外面的なものだと思っている」「後悔はしていない。プレッシャーに負けたとか、そういうことではない」などと語ったコメントも、トピック内で紹介されている。 自身のパフォーマンスを冷静に振り返るワトソンはまだ18歳。この先、オリンピックチャンピオンとなる可能性は十二分に秘めている。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]