ECB、6月に利下げ開始し四半期に一度の追加利下げへ-調査
(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は6月に利下げを開始し、少なくとも来年末まで安定的かつ継続的に利下げを続けるだろう。ブルームバーグの調査に答えたエコノミストが予想した。
回答者は、11日に予定されている政策決定会合の次の会合で、中銀預金金利(現行4%)が0.25ポイント引き下げられると予想している。その後四半期に一度ずつの0.25ポイント利下げで2025年終盤に2.25%になると見込まれている。
ECB当局者らは6月を緩和開始の月とすることでほぼ同意しているもようだ。ラガルド総裁は、緩和のペースは経済状況次第だと主張。他のメンバーはそれぞれに金利の軌道を思い描いている。
「近い将来の利下げ開始はほぼ決定しているようなので、今後は金融緩和のスピードをどう決定するかに注目が移るだろう」とデカバンクのエコノミスト、クリスティアン・テートマン氏が述べた。「政策委員会のメンバーは、データへの依存について共通の認識を持っていないようだ」と付け加えた。
ギリシャ中銀のストゥルナラス総裁は先月、夏までに2回、今年中に合計4回の利下げが「妥当」だと主張した。ホルツマン・オーストリア中銀総裁は、2024年には利下げを行わないことを長い間主張してきたが、今週には6月に最初の利下げを行うことに「原則的に異議はない」と述べた。
昨年後半に僅差でリセッション(景気後退)を免れた後、ユーロ圏経済には回復の兆しが見られる。
INGのマクロ責任者、カルステン・ブルゼスキ氏は「ECBにとっての課題は、タカ派的な発言をしないようにすることだ」と言う。「そうではなく、6月の利下げはECBが景気を下支えしたいからというよりも、むしろ金融政策の景気抑制的なスタンスを幾らか正常化させることが『可能だ』というサインだということを説明しなければならないだろう」と同氏は話した。
3月のインフレ率は予想以上に低下し、消費者のインフレ期待も後退。インフレ率を来年に2%にする目標に対して、ECBが先行しているとは言えないまでも、軌道に乗っていることが示唆される。