厚生年金の「最新平均額」が前年より8円増へ。男女差は縮まったのか
2023年12月25日に厚生労働省年金局より「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」が発表されました。 【年金の一覧表】厚生年金・国民年金の金額別の受給者数。男女差はある?(出所:厚生労働省) 上記の調査データは毎年実施されるもので、前年度の年金受給額の平均や、受給者数などが掲載されています。 本記事では、最新の調査データから令和4年度の厚生年金・国民年金の平均受給額について紹介していきます。 平均額や受給者数からわかる「受給額に男女差」についても言及しているので、参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先では ハイパーリンクや 図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
日本の老齢年金は2種類!年金の仕組みをおさらい
初めに、日本の老齢年金の制度について確認しておきましょう。 日本の老齢年金は「国民年金(1階部分)」と「厚生年金(2階部分)」の2種類が存在し、厚生年金が上乗せする形で2階建て構造となっています。 なお、人によってはさらに「企業年金」や「iDeCo」などの、私的年金を備えているケースもあります。 国民年金は、原則として「20歳以上60歳未満」の人が自動的に加入対象となります。 国民年金保険料は一律で、年度ごとに見直しが行われます。加入期間と納付月数が同じ場合は、原則として同じ額が支給されます。 厚生年金は「会社員や公務員」などが加入対象で、加入期間や給与によって受給額が異なります。 たとえば厚生年金の加入期間が同じ場合であっても、年収が低い人と高い人とでは、老後に受け取れる受給額が違うのです。
厚生年金・国民年金の平均月額はいくら?
では、令和4年度の厚生年金・国民年金の平均月額をみていきましょう。 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金・国民年金の平均月額は下記の通りです。 ・厚生年金の平均月額:14万3973円 ・国民年金の平均月額:5万6316円 なお、前年度と比較した平均月額は下記のような結果となっています。 2021年度と比較すると、厚生年金の平均月額はわずかながら8円増加しています。 反対に国民年金は、令和3年度より52円も平均月額が減少傾向となっています。 ●【男女別】厚生年金・国民年金の平均月額はいくら? 続いて、男女別における厚生年金と国民年金の平均月額をみていきましょう。 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、男女それぞれの厚生年金・国民年金の平均月額は下記の通りです。 厚生年金は、昨年よりも男女ともに増加しており、男性で495円増、女性192円増となりました。 男女それぞれで年金額がアップしていますが、依然として男女の受給額には大きな差が生じていることがわかります。 厚生年金における平均月額の男女差が大きい背景として、女性は出産や子育てをきっかけに扶養に入ったり、正社員からパートに変えたりするケースが多いことがあげられます。 これにより、厚生年金の加入期間が短くなることが要因の1つとして考えられます。 一方で国民年金では男女差はあまり見られず、昨年度と比較すると男性は215円減となっていますが、女性はわずかに80円増加しています。