東日本大震災の犠牲者死因 東北大が分析 溺死以外の死因も明らかに
津波に飲まれても生き残る手段を見つけたい
今村教授は「頭部の損傷、外傷性ショックなどは水そのものだけでは生じない。流れる中で建物などに衝突するなど、いろいろな状況で亡くなっているということが定量的にわかった。死因を分析することで、対策のヒントが出てくるはずだと考えている」と話す。 また、門廻助教は「南海トラフ沿いの地震では、地震発生から短い時間で津波が来襲する地域もあるが、そういった地域であっても、津波に飲み込まれても生き残る手段を見つけるのが、この研究を進めるうえでのモチベーション。まずは、今あるデータでどのくらいことが分かって、どのくらいのことが分からないかを示していくことが重要だと考えている」と語る。 今後については、亡くなった人の登録住所や発見場所などを踏まえた分析を進めるほか、岩手、福島県からも記録の提供を依頼していく方針だという。 飯田和樹/ライター・ジャーナリスト(自然災害・防災)