香港不動産の新世界、永久債の来年償還目指すと投資家に通知-関係者
(ブルームバーグ): 香港に本拠を置く不動産開発会社、新世界発展(ニューワールド・デベロップメント)は一部の投資家に対し、コール条項付き永久債の償還を来年試みると伝えた。同社から25日に説明を受けた複数の関係者が明らかにした。この永久債は2025年3月にコールの行使が可能になる。
非公開情報だとして関係者が匿名を条件に語ったところでは、コールの権利行使を見合わせた場合、支払い金利は同社の平均資金調達コストの5%よりもはるかに高くなるという。ブルームバーグの集計データによると、この債券は27日、額面1ドルに対し95.7セントの気配値となっている。
関係者によれば、新世界はまた、80億香港ドル(約1600億円)規模の非中核資産の売却を月内に完了する見込みだと説明。2023年7月-24年6月に実施された資産売却の詳細について、最新情報が近く提供される可能性があると関係者は語った。
今回の動きから、新世界が短期的な流動性逼迫(ひっぱく)を徐々に克服しつつあることがうかがえる。香港の資産家、鄭家純(ヘンリー・チェン)氏の一族が経営権を握る同社は、中国と香港の不動産セクター低迷に悩まされてきた。
昨年は同社の債券価格が記録的低水準に落ち込み、債務返済能力を巡る懸念が強まった。しかし、鄭一族が出資比率を引き上げたほか、同社が債券の買い戻しなどを通じて信頼回復に努めたことで、そうした懸念はここ数カ月で和らいでいる。
新世界に電子メールでコメントを求めたが、返答はなかった。
原題:New World Tells Investors It Will Try to Pay Perp Bond Next Year(抜粋)
--取材協力:Shawna Kwan.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Jackie Cai