JC08モード燃費33.0km/L 伝家の宝刀ハイブリッドを試す 今も現役のカローラハイブリッド試乗【10年前の再録記事プレイバック】
■気になる乗り心地をチェックする
コンパクトな低燃費車で注意したいのが乗り心地だ。足まわりに充分なコストを費やせず、転がり抵抗を抑える目的で、エコタイヤに高い空気圧を充填する。となれば乗り心地が粗くなりやすい。 試乗したアクシオハイブリッドは標準仕様だから、タイヤサイズは15インチの175/65R15。ダンロップ.エナセーブEC300を履いていた。指定空気圧は230kPa。 燃費重視とはいえ、極端に高い数値ではない。ちなみに1.3Lのノーマルエンジン車は、平成27年度燃費基準に合致させるため、14インチタイヤの指定空気圧を250kPaまで高めた。このような無理はしていない。 乗り心地はノーマルの1.5Lエンジンを積んだアクシオに近いが、ハイブリッドが若干快適な印象。それでも路面上の細かなデコボコを拾うが、セダンとしての許容範囲に収まる。 フィールダーの試乗車は、15インチアルミホイールとのセットオプションを装着して、タイヤサイズは185/60R15。銘柄はブリヂストンB250だった。指定空気圧はアクシオと同じ230kPaだが、乗り心地は硬めながら重厚感が増している。フィールダーのハイブリッドを選ぶ時は、このタイヤを装着するといい。 車両価格はアクシオのハイブリッドGが207.5万円で、フィールダーのハイブリッドGは216.5万円。アクシオはノーマルエンジン搭載の1.5Gに対して42.5万円の上乗せだ。減税額を差し引くと、実質37万円の差額になる。 そして1.5GのJC08モード燃費も20.0km/Lに達するので、実用燃費がJC08の85%、ガソリン価格が1L当たり155円として、37万円の実質価格差を埋めるには約10万kmを走らねばならない。 損得勘定だけで判断するとハイブリッドは割高だが、少しアクセルを踏み増した時の自然な速度の上昇など、走りの質が高まることも見逃せない。 遮音も入念で、セダンとワゴンにふさわしいハイブリッドに仕上げた。 メカニズムはアクアと同じでも、運転感覚や乗り心地には、例えるならばヴィッツとカローラの関係に相当する違いがある。 特にアクシオは現行型になって1.8Lエンジンを廃止した。ハイブリッドはこれに代わる上級仕様という見方もできる。 ジーンズ感覚で運転できる気安さを備えながら、ジャケットも似合いそうだ(渡辺はどうかは読者の判断におまかせします)。