【独自】「感染力がすごく強い」高齢者施設でもインフルエンザ猛威…徹底対策取るも防げず 1医療機関当たり患者報告数“警報レベル”の都道府県は36に
猛威を振るうインフルエンザ。施設や病院では緊急事態に直面している。 【画像】「警報レベル」の都道府県は36に…インフルエンザの1医療機関当たりの患者報告数はこちら。
対策取るも…「今年はインフルエンザの入所者が多い」
神奈川・横浜市にある特別養護老人ホーム 愛成苑では、警戒を続けていたにもかかわらず、高齢者と職員合わせて8人が感染した。 特別養護老人ホーム 愛成苑・平本千恵子施設長: 去年は大丈夫でしたが、今年はインフルエンザの入所者がすごく多くなったという気がしています。 インフルエンザの1医療機関当たりの患者報告数は前の週に比べ2倍以上となり、警報レベルの都道府県は36になっている。 「イット!」が取材した特別養護老人ホーム 愛成苑の入所者は約100人で、看護師など82人の職員が働いている。施設長は、インフルエンザから高齢者や職員の健康を守るため、検温や手指消毒などの対策をとっていると話す。 特別養護老人ホーム 愛成苑・平本千恵子施設長: 検温を毎日しておりますけれども、熱が37.5度以上になった時には、居室から出ないでいただく。検温も1日2回はするという形で頻度を増やしているのと、お食事、お手洗いなども居室内にその方はしていただく。ケアをする職員は、部屋の入り口に消毒液や替えのマスクを用意し、ケアが終わったらマスクを替えて手洗いをして手指消毒をする。 他にも高性能の空気清浄機を導入し、常にきれいな空気を保っている。 しかし、これだけの対策をしても防ぎきれなかった。 特別養護老人ホーム 愛成苑・平本千恵子施設長: 1人感染すると、特別養護老人ホームの場合2人目を出さないという、まん延防止に力を入れるが、感染力がすごく強くて、都合8名の方が感染されました。
岐阜県の施設ではクラスター発生…死亡した入所者も
一方、別の県では入所者が死亡する事態も発生している。 インフルエンザ警報が発表されている岐阜県によると、県内にある特別養護老人ホームで2024年12月30日~2025年1月7日にかけ、入所者26人と職員5人の合わせて31人が相次いで感染するクラスターが発生。このうち、90代の女性入所者が1月5日に食欲低下を訴え入院し、死亡した。 勢いが収まらないインフルエンザの猛威。番組で取材した横浜の施設では感染した8人はすでに完治。これ以上、感染者が増えないよう注意していきたいという。 (「イット!」1月8日放送より)
イット!
【関連記事】
- 猛威振るう「インフルエンザ」ピークこれから“かかりやすい人”は特に注意 隠れた脅威「肺NTM症」にも警戒を【専門家解説】
- 【解説】インフルエンザ脳症“増加傾向”か 重症化する前に早期発見を…「視線が合わない」「異常に怖がる」など4つのポイント 死亡率は約10%
- 沢井製薬が「タミフル」ジェネリック医薬品供給を一時停止 インフルエンザ流行拡大で製造間に合わず 供給再開は粉薬が1月下旬・カプセルが2月上旬
- 【解説】インフルエンザB型早くも増加…インフル連続感染のリスクも B型は嘔吐・下痢など消化器系の症状が特徴 ワクチンは接種から約2週間後に効果
- 【深刻】インフル大流行で「インフルエンザ脳症」増加傾向 主に5歳以下の子どもが発症…死亡率10%・後遺症など重症化リスクも 早期発見のポイントは? 医師「ぜひワクチン接種を」