日本で“フィリピンはしか”の流行か/例年より多い患者数
きちんとした予防接種を
「麻しん」は、せきやくしゃみなどの飛沫や、麻しんウイルスを含んだ空気を吸い込むこと、あるいは接触によって感染する。とても感染力が強く、1人の患者から12~14人が感染するほどだ(インフルエンザでは1~2人)。感染すると10~12日間潜伏して、熱やせき、鼻水など、風邪のような症状が出る。数日すると38度以上の高熱と、全身に赤い発しんが出現する。発しんが出る前に、ほほの内側に白い斑点(コプリック斑)が出ることもある。その後、合併症がなければ症状は7~10日でほぼ回復するが、合併症時を併発すると命に関わることもある。小児では肺炎が、成人では脳炎が死亡の大きな原因だという。 麻しんに一度かかれば、その後は免疫がついて一生かからないとされるが、それでも、感染はぜひとも避けたいところだ。とくに乳児の場合は生後約8か月ごろまでは、免疫のある母親からもらった免疫が働くが、その後、免疫力が切れるとかかりやすくなるので、ワクチンの予防接種が必要だ。しっかりした免疫力をつけるために1歳児と、さらに小学校入学前1年間の計2回の接種が行われているが、いまだに未接種の人や、とくに1990年4月1日以前に生まれた人の中には1回しか受けていない人もいるので、医療機関や市町村の保健担当に相談することが肝心だ。 (文責/企画NONO)