子育てとキャリアの両立は可能? 子連れファッションデザイナーたちの挑戦
業界にいる多くの女性にとって「ファッションに対する情熱」という決まり文句は真実である一方、彼女たちをすぐに仕事に復帰させる要因の1つとなっている。「ファッション広報の仕事は私のアイデンティティの大きな部分を占めていました」と、PRおよびコミュニケーション代理店を経営する1児の母であるキャロライン・ネルソンは語る。「それから離れることは、予想していたよりもはるかに困難でした」
他の業界とは異なりファッション業界は女性の比率が高いため、母親たちはより歓迎されやすい傾向があるとホルトは考える。「たくさんの女性がファッション業界で働いているため、会話では子どものことが話題によく上ります。私たちは良い母親になろうと努めながら、同時にこれらの仕事に就いていることに対して現実的です」と彼女。「私は女性たち、特に自分でブランドを手掛けるなど、大きな仕事をしているデザイナーたちが自分のショーや仕事に子どもたちを参加させることに称賛を贈りたいと思います。自分の子どもの存在を認めてもらえないと感じる業界で働くことは、きっと途方もなく難しいことだと思うからです」
子どもを産んだとしても、彼女たちに才能と能力があることは変わりなく、決して見過ごされたり軽視されたりするべきではない
しかしながら、ファッションでは何年もの間、「母親ペナルティ」が行われてきたことも否定できない。20世紀初頭ではココ・シャネル、エルザ・スキャパレリ、そして「クロエ」のギャビー・アギョンなど、世界で最も有名なファッションブランドの多くの創設者が女性だった。しかし今日では違う。
昨年10月、フィナンシャル・タイムズ紙は、高級デザイナーブランドには女性のクリエイティブディレクターが不足しており、女性はわずか27%であることを明らかにするレポートを発表した。その数週間前には「アレキサンダー・マックイーン」のサラ・バートンの後任にショーン・マクギアーが任命されたことを受けて、ケリングのデザイナーブランドのうち6つすべてが白人男性によって率いられることになったとして、ソーシャルメディアで議論を呼び起こした。