「水原一平氏がいれば起こり得なかったが…」大谷翔平ドジャース第1号“ホームランボール騒動” 在米プロ通訳の視点は?《過去には観客間で訴訟も》
「今のところは自分で球場に来て、何かやったり練習したりとかというところで」 現地時間4月8日、ミネソタ州ミネアポリスでツインズとの試合前の囲み取材に応じた際、ドジャースの大谷翔平は元通訳の水原一平氏が解雇されて以降の日常について、そう話した。かつては朝から晩まで水原氏とニコイチだった大谷だが、今は一人で球場入りしているようだ。 【写真で比較】「頬がこけて…1年前と全然違う」韓国シリーズで失意の水原通訳と昨年のWBCでの様子&大谷翔平「一平さんの横で大あくび」「水原通訳がいなくなったベンチで1人ポツリ…」表情で見る激動ソウルシリーズ~LA開幕戦(100枚超) 一方で「隣に誰かいるかどうかはだいぶ違うと思いますし、そういう意味ではすごくいてくれてよかったなと思います」と、新婚の妻や愛犬・デコピンの存在に支えられていることも明かしている。 事実、大谷のバットは絶好調だ。 4月3日、ドジャー・スタジアムでのジャイアンツ戦の7回第4打席で、移籍後第1号ホームランを放ったのを皮切りに、8日までに5試合連続マルチ安打と3本のホームランを記録している。フィールドの大谷を見る限り、水原ショックの影響をすでに克服したようにも見える。 一方で、ファンとの間では、ちょっとした「行き違い」が発生した。
移籍後、第1号ホームランを巡る「騒動」
右翼席に飛び込んだ移籍後1号のホームランボールを掴んだのは、夫婦で観戦に来ていたドジャースファンの女性、アンバー・ローマンさんだった。 しかしローマンさんは手にした記念球の返還に応じた。大谷は試合後の囲み取材で「ファンの人と話して、いただけるということだったので。僕にとってはすごく特別なボールなので、本当にありがたい」と、ホームランボールを引き渡してくれた女性ファンに感謝を述べた。 ところがその後、SNSでは「大谷が嘘をついている」という批判が渦巻く事態に発展することとなる。ローマンさんが「大谷選手に会いたいと頼んだが、球団側から拒否された」とXに投稿したことがきっかけだ。 ピンとこない読者もいるかもしれないが、ニューヨーク州公認不動産エージェントで通訳者としても活動する木城祐氏が説明する。 「大谷選手はホームランボール回収の経緯について、『ファンの人と話して』と説明していますが、その主語を省略しています。これは日本語ではよくあることなのですが、英語では基本的に主語の省略はできないので、常に通訳泣かせです。この場合、大谷選手が省略した主語は『球団関係者』だったはず。それを(新通訳のウィル・)アイアトンさんは『I was able to talk to the fan, and I was able to get it back』と主語を『私』にして通訳している。 これが現地メディアでも報じられていたので、一部のSNSユーザーはローマンさんの投稿と矛盾を感じてしまった。水原氏のように大谷選手と四六時中一緒にいればこうした間違いは起こり得なかった行き違いですが、他の職務と兼任の臨時通訳なら仕方ない部分だと思います」 さらにローマンさんは、記念球を回収した球団関係者の態度にも不満を表している。 ホームランボールを受け取って持ち帰る場合、球団による鑑定を経て、認証としてボールの表面にホログラムが貼られる。 しかし4月4日付の米スポーツメディア『The Athletic』によると、ローマンさんは「ボールを持ち帰るなら鑑定や認証は行わない」と脅されたという。認証されなければホームランボールに価値はないため、しぶしぶサイン入りのキャップやバットなどと引き換えに、世紀の記念球を引き渡したことを明かしている。
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