坂本花織のSP首位発進で、どうなる女子フィギュアの平昌五輪代表争い
現段階で宮原と樋口は、全日本の結果を除く4項目すべてを満たしているが、坂本は2つだけ。GPファイナルには出られず、今季シニアデビューのため過去3年を集計した世界ランキングの上位にも入っていない。国際経験豊かで、この日、観客を最も魅了する演技で涙した本郷も世界ランクの項目ひとつしかクリアできていない。「総合的な判断」の上では不利である。 坂本が優勝、宮原が2位となれば、この2人で決まりだろうが、坂本が優勝、樋口が奮起して2位に浮上して、宮原が3位の場合、或いは、本郷が2位に入り、宮原か、樋口が3位の場合、または、宮原が逆転優勝して、坂本が2位となり、3位に樋口が入った場合、本郷が2位に浮上して、坂本、樋口が3位だった場合などは、2人目の代表選出に関してはスンナリと全日本の順位通りに運ばず議論が起きる可能性は高い。 全日本の順位に次ぐ選考基準は、4項目あるが、とりわけ(2)のGPファイナル出場者と、(5)のパーソナルベストが重要視されると見られている。 例えば、優勝・宮原、2位・坂本、3位・樋口となった場合、坂本と樋口の点差と演技内容にもよるだろうが、全日本の順位以外の4項目ですべて坂本を上回る樋口を「総合的に判断」して推す声が出てきても不思議ではないのである。また坂本、或いは、宮原が優勝して、2位に本郷が入り、3位に坂本、宮原、樋口が入った場合も、2位の本郷よりも、3位の選手が有力視される可能性もある。 樋口は、この日、冒頭の2回転アクセルが「少し体重が前にかかりすぎた」との理由で飛び上がる方向とタイミングが狂いシングルアクセルに終わる大きなミスをした。規定により、このジャンプはカウントされず優勝圏内となる70点台に乗せることができなかった。 それでも「失敗しても引きずらなかった。今日のミスは忘れて明後日は自分の練習してきたことを思い切り出せるように“滑って良かった”と思えるような演技をしたい」とフリーに向けてポジティブだった。 すべては23日のフリーの結果に委ねられているが、最後の最後まで、誰が平昌五輪へいくのか、混沌とした大熱戦となっている。代表発表はクリスマスイブ、24日の夜だ。