サンゴの「定植」体験 天城町で大島地区子ども会創作活動大会 海の大切さ学ぶ
鹿児島県天城町の与名間ビーチで19日、大島地区子ども会育成連絡協議会が主催する同地区子ども会創作活動大会があった。徳之島内の親子連れ約30人が参加。海中のサンゴを増やす「定植」の作業を体験し、海の環境を守ることの大切さを学んだ。 同大会は子どもたちに創作活動の楽しさを伝えるとともに、地域の子ども会活動を盛り上げることが目的。県の補助金を活用して奄美群島内の市町村が毎年持ち回りで開催している。 今回の活動のテーマは「海を守るためにわたしにできること」。海や海岸でサンゴを採取することは違法だが、今回は県から許可を得て実施した。参加者は同ビーチの海中でサンゴの破片を採集し、定植するための土台となるサンゴの死骸に固定する作業を体験した。 参加者は▽サンゴはイソギンチャクやクラゲなどの仲間の動物であること▽褐虫藻(かっちゅうそう)という植物プランクトンと共生していること―などを学んだ後、海に入って褐虫藻が定着している生きたサンゴのかけらを採集。水中用の接着剤を使って土台に固定した。 土台のサンゴには参加者らがそれぞれの名前やメッセージを書いた。「一緒に大きくなろうね」とメッセージを書いた児童は、「サンゴを固定する作業は難しかったけど楽しかった。サンゴがたくさんあるきれいな海になってほしい」と感想を述べた。 製作したサンゴの定植台は後日、同ビーチ近くの与名間漁港に定植する予定。2年ほどで10~20センチ成長するという。 講師を務めた町商工水産観光課地域プロジェクトマネジャーの益子正和さん(66)は「今年は海水温の上昇でサンゴから褐虫藻が居なくなる白化が奄美・沖縄で大規模に起こった。今回の体験を通してきれいな海を守っていく意識を高めてもらいたい」と期待した。