道民が愛する「セイコーマート」凄い物流の仕組み、脅威の積載効率8割はなぜ達成できるのか
例えば、年間4500万本の牛乳を製造しているが、セコマグループで販売しているのは2000万本。残りはライフやコストコといったところに販売している。アイスクリームも外販が3分の1を占めている。 ■手を抜かない「店内調理」 セイコーマートは、店内調理の取り組みも早かった。同社では「ホットシェフ」と呼んでおり、現在930店舗で展開をしている。やはり店内調理に力を入れているデイリーヤマザキによると、店内調理機能があることの利点は、3店舗集まったら、1店舗分の食材を調理でき、力を合わせれば工場の代わりになる、ということだ。つまり、サプライチェーンが途切れることがあっても、何かできるという利点がある。
売上数ナンバーワンはかつ丼で、他にフライドチキン、カレーライス、おにぎり、クロワッサンなどつねに約30種類揃えているという。食材は冷凍のものがほとんどで、カレーライスはセントラルキッチンで作ったものを温め直して提供する一方、カツ丼の場合は店で米を炊き、カツをあげて卵でとじたり、フライドキチンの場合は生肉に粉漬けするところから調理するなど可能な限りその場で調理しているという。 以上の特徴を踏まえたうえで、セイコーマートの物流面での取り組みを紹介したい。まず、同社は物流センターの投資として、1990年代後半から2000年代にかけて100億円を投資した。全国ではなく、道内だけでこの規模の投資をしている。それ以前から物流網はできていたが、物量拡大への対応に加えて、効率化を目的に再整備を行なった。
また同社は積載効率が約8割と、ほかに類を見ないほど高い。近年の平均が35%程度で、「4~5割あれば上出来」と言われているのでいかに高いかわかるだろう。モノを運ぶ際、仮に行きの積載率が100%だったとしても、帰りに何も積まない場合、積載率は半分になる。8割ということは、下ろしては積んで下ろしては積んで、を繰り返さないと達成できない。 他社の場合、共同物流で往復それぞれの荷物を乗せたり、同業で同じトラックを使ったりして積載効率を上げようとしているが、セイコーマートも他業態への商品供給や大手メーカーの北海道と本州の輸送を担うなどしてこれを達成している。