「燕は戻ってこない」「東京貧困女子。」…東京での“生きづらさ”描くドラマが話題 それでも上京する背景とは
東京が多くの女性たちの心をとらえ続ける理由とは?
地方創生が国内における課題となっている昨今、地方移住者を対象にした助成金のほか、地方での就労支援、結婚支援などの施策が増えてきました。しかし、コロナ禍で“東京離れ”が一時的に話題になったものの、最近は”地方を離れる若者たち”が再び話題に挙がっています。特に、女性が地方を離れる傾向が強いようで、東京をはじめとする大都市圏での就職を希望する人が多い状況です。 この背景には、地方における職業の選択肢の少なさが挙げられます。地方によっては、介護職員や警備員、調理補助といったエッセンシャルワーカーの求人が目立つエリアや、正社員でも月収20万円以下の求人が多いエリアもありました。 東京においても従業員に多くの給与を支払える企業は限られていますし、正社員の求人ばかりではありません。それでも、地方よりは選べる職種が多い点は魅力と感じるように思います。経済的に厳しくても、自分のやりたい職種を選択する人や適正により合った仕事に就きたいと考える人が多いのでしょう。 その他にも、地方における男女間の役割分担の根強さを理由に、地元を離れる若い女性も多くいるのではないでしょうか。地元で就職してもサポート的な役割しか任せてもらえないことを懸念する人や、女性が料理し、男性にお酒をついでまわる地域の慣習に否定的な若年層も少なくありません。進学を機に地方を離れ、東京で就職したものの生活苦に陥っても、こうした事情を抱える女性たちは都内にとどまるしかないのが現状のように思います。
西田梨紗