【NBA】バックスのデイミアン・リラード、アデトクンボ欠場で奮起「アタックモードに入らないといけないと分かっていた」
長距離砲が好調のグリーンを信頼「彼はスナイパーだ」
現地26日、バックスはアウェーでヒートと対戦。大黒柱のヤニス・アデトクンボが、ヒザの痛みによって試合直前に急きょ欠場となるアクシデントに見舞われた中、デイミアン・リラードが37得点12アシストと大活躍し106-103で競り勝った。これでバックスは5連勝。開幕2勝8敗スタートというまさかの失速から立て直し、9勝9敗の勝率5割に戻した。そして現地12日に開幕した『NBAカップ(旧インシーズン・トーナメント)』においてもグループリーグ3戦全勝中だ。 試合の前半、バックスは21本中13本成功の3ポイントシュートを含めてシュートタッチがよく、大量得点で65-51とリードを奪う。第3クォーター序盤も勢いをキープし、残り約9分にはリラードの長距離砲でリードを22点にまで広げた。だが、ここからヒートの猛反撃を受け、第4クォーター残り5分で1点差にまで詰め寄られる。一進一退の攻防が続く中、3年目のAJ・グリーンが要所で連続3ポイントシュートを成功。若手のステップアップとここ一番でディフェンスを踏ん張ったことで、粘るヒートを振り切った。 リラードは、アデトクンボの欠場を踏まえ、いつも以上に自らから攻撃を仕掛けていくことを重視していたと明かす。「ヤニスがいない場合、みんながいつも以上にやらないといけない。得点だったり、いつもよりプレーにからむことだったり、ステップアップする必要があった。僕もより声を出していた。そして自分がアタックモードに入らないといけないことは分かっていた」 実際、リラードは第1クォーターでいきなり17得点とエンジン全開でオフェンスを牽引し、大事な立ち上がりの流れを引き寄せる原動力となった。一方で第4クォーターはヒートの厳しいマークに苦しみ、このクォーターに限ればフィールドゴール2本中0本の2得点と持ち前の勝負強さを発揮できなかったが、グリーンが3ポイントシュート2本成功と大きな仕事を成し遂げた。 25歳のグリーンは、2022-23シーズンからバックスに在籍。昨シーズンは56試合出場し、11分のプレータイムで平均4.5得点と地味な存在だった。しかし、今シーズンはここまで17試合出場し、平均19.8分のプレータイムで平均7.9得点、さらに3ポイントシュートは1試合平均5.1本の試投数で成功率47.7%をマークと、主力の一員へとステップアップしている。 リラードは「彼はスナイパーだ」とグリーンを評し、彼のシュート力への信頼を語る。「彼のワークアウトの様子は、自分が練習する前に椅子に座って毎日見ている。だから僕は彼を信頼している。僕は彼が自信を持っていること、彼がそれだけの練習をしていることを分かっている」 ようやく勝率を5割に戻したバックスだが、リラードは「祝うことは何もない」ともちろん冷静だ。ただ、同時に今の状況に手応えも感じている。「2勝8敗スタートの時、良い気分ではなかった。そこからチームは一丸となって戦い続けている。鏡を見て、自分たちが何を変える必要があるのか、どこを良くしていく必要があるのかを考えて、それを実行した。今の僕たちは正しい方向に進んでいる。強豪を倒し、今日のようにヤニスがいなくてもアウェーで勝てた」 開幕から欠場を続けるクリス・ミドルトンも復帰間近と言われ、グリーンのような若手も台頭してきた。バックスはリーグ上位進出への巻き返し体制を着々と整えてきている。
バスケット・カウント編集部