袴田巌さんを支援する議員連盟が法務省に検察の控訴を阻止する要請書を提出 検察が控訴した場合は法務大臣の指揮権発動を求める
再審無罪判決が言い渡された袴田巌さんを支援する超党派の議員連盟が、法務省に検察の控訴を阻止する要請書を提出しました。 1966年に旧清水市でみそ会社専務一家4人が殺害された事件の再審で、静岡地裁は9月26日袴田巌さん(88)に無罪を言い渡しました。 袴田さんを支援する超党派の議員連盟のメンバーや姉の ひで子さんらは法務省を訪れました。 検察が控訴した場合は、監督命令する権限がある法務大臣の指揮権を発動させ、控訴を取り下げさせるよう要請書を手渡しました。 ひで子さん: 「48年間刑務所にいた弟のために、良い判断をお願い申し上げます」 法務大臣の代理で要請書を受け取った佐藤淳官房長は「法務大臣に皆さんの思いをしっかり伝える」と話しました。
そして議員連盟は袴田さんの無罪確定を求める集会を開きました。 議員連盟 塩谷立会長: 「本当に今回の判決、ひで子さん、巌さん、おめでとうございました。元気なうちになるべく早くという思いがあった ので本当によかった。再審の問題についても大きな課題があるので議連で検討している。今回の判決がしっかりとした方向性を示したのではないかと期待している」 集会には2014年3月再審開始を決定し、袴田さんを釈放した静岡地裁の村山浩昭元裁判長も出席しました。 村山浩昭元裁判長 「無罪になってほっとした。そして袴田さんとひで子さんの長い長い闘いがようやく実った。非常にうれしい気が遠くなるような時間が流れました。制度、法律に不備がある。欠陥があると言わざるを得ません。再審法改正につながる問題です」 村山元裁判長は検察には判決を覆す証拠や論理がないと指摘。 さらにねつ造が認定されたことに触れ、組織の信頼を失墜させたくないという理由で控訴するのは公益ではないと批判しました。 村山浩昭元裁判長 「判断は極めて妥当です。控訴はしない結論になるはず。(再審の)改正法実現のために実効性のある法律を作っていきたいと思っている」 控訴期限は10月10日です。