テイラー・スウィフト 効果で話題に。 「友情ブレスレット」ビジネスを支える強力なコミュニティ
リトルワーズプロジェクトは大型小売店への展開において、コミュニティをどのように考慮しているか
「大型店の話や、コミュニティの構築を維持する方法に関していうなら、コミュニティの概念を第一に考えて意思決定をし、その決定の最前線に立つということに尽きる。だから、ターゲットについても、これより安い価格帯にはできないと断固として主張した。普通なら、ターゲットにこんなことはしないだろう。我々はサブブランドを作るのではなく、ブランドのアイデンティティを保ち、それをターゲットに持ち込もうとした。それは、我々が過去10年間にわたってコツコツと築いてきた独立系小売店との関係を維持するために必要な取り組みだった。小売店を怒らせたり動揺させたりしたくなかったし、D2Cビジネスにも影響を与えたくなかった。我々はこの決断を慎重に行いたかった。さらに、真の意味でのマーケティング活動にもこだわった。私の名前を入れてほしかったし、それと同じように、ブランドストーリーや使命を背後に置いてほしかった。ウェブサイトのトップページをスプラッシュページにしたかったのだ」。
出店戦略
「2021年11月、マンハッタンのブリーカー通り(Bleecker Street)にあるウェストビレッジに最初の店舗をオープンして、奇跡的な成功を収めた。つまり、初年度に100万ドル(約1億5000万円)の利益を上げたのだ。小売店として一瞬で大成功したようなものだ。また、顧客が来店する光景を生で直接見ることができたのは素晴らしい経験だった。それまで顧客と直接会うことはなかったが、当社はコミュニティをベースにして設立された。コミュニティは、集まることや、直接会って実際に一緒に何かをすることを想起させる。リトルワーズプロジェクトが本当に軌道に乗ったのは、小売店での対面販売の経験があってからだ。ブリーカー通りでの経験により、我々はほかのさまざまな市場でもいずれ展開できるだろうと思った」。
テイラー・スウィフト効果
「(テイラー・スウィフトに関連したフレンドシップ・ブレスレットを)我々も確かに取り入れた。当社では、ランス・バスがVMAのステージでテイラー・スウィフトに贈ったものとまったく同じコレクションを作成した。そして、あの瞬間に身を乗り出して、バイラルソーシャルメディアの戦略に飛びついた。テイラーが今まさに持っていることがわかっているそのブレスレットをウェブサイトに掲載したのだ。すると、そのコレクションを購入するために顧客が殺到し、テイラーのファンも購入していった。それによって、少しは売上が増えたのは間違いない。ただ面白いことに、数字を見直してみると……実際、最近は投資家のためにそうする必要があり、テイラー効果全体について社内で話し合ったのだが……テイラーはブランドに計り知れない恩恵をもたらした女性であり、関係があることをとても誇りに思っているが、その一方でコレクションによる売上増は1%にも満たなかった。ブランド全体の存在感からすれば、たいしたことはない。またこれにより、リトルワーズプロジェクトはテイラー(効果)以前から勢いがあったことがわかるだろう。テイラーにあやかろうとしたほかのブランドは、おそらく、いつもの商品群とは無関係に節操なく稼いでいるので、売上がより大きく増えたかもしれない。それに対して当社は、そもそもフレンドシップ・ブレスレットで最初の道を切り開き、テイラーが絶妙なタイミングで来てくれたというところだ」。 [原文:Little Words Project founder Adriana Carrig on making friendship bracelets a thriving business even before Taylor Swift] Cale Guthrie Weissman(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:都築成果)
編集部