【NHKマイルC】タフな流れに強くキレある末脚を持つ 京大競馬研の本命はジャンタルマンタル
速い上がりを使える、差し脚確かな馬を中心に
5月5日(日)にNHKマイルカップ(GⅠ)が行われる。今年は2歳王者ジャンタルマンタル、2歳マイル女王アスコリピチェーノに加え、“伝説の新馬戦”勝ち馬ボンドガール、その同馬を抑えサウジアラビアRCを制したゴンバデカーブース、ほかにも世代のマイル重賞勝ち馬が集結。どの馬が勝ってもおかしくない非常に難解な一戦となった。 【NHKマイルカップ2024 推奨馬】実績最上位で持ちタイムはメンバー最速! SPAIA編集部の推奨馬を紹介(SPAIA) 以下では、本レースが行われる東京芝1600mのコース形態とそれに起因するレース質、そして想定される展開を踏まえ予想する。 まずは東京芝1600mのコース形態を見る。スタート地点は向正面直線の右奥で、初角までの距離は約540m。3コーナーにかけてはおおむね下り坂になっており、その後高低差2.1mのなだらかな上り坂を持つ約530mの最終直線が待ち構えている。 まず注目すべきは初角まで約540mという距離があること。これは東京芝コースの中で最も長い。スタートしてから序盤の隊列は定まりづらく、先手争いは長引きやすい。序盤のペースは流れ、コーナーにかけての中盤でペースが緩む。先行勢が再加速するまでの区間で後方勢が下り坂の惰性で進出できるため、最終直線に入るまでに前とのポジション差を縮めやすい。したがって、序盤から中盤で脚を温存しながら追走し、最後に速い上がりを使うことができる差し脚確かな馬が有利となっている。 これは数字からも明らかだ。NHKマイルCの直近10回において、上がり4位以内の馬の成績は【8-7-7-18】勝率20.0%、連対率37.5%、複勝率55.0%、単勝回収率229%、複勝率回収率416%と優秀だ。高い瞬発力を持つ馬を中心に印を打っていきたい。 続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位が3番手以内だった先行馬が5頭と、出走馬18頭に対して少なくはない。その他にもテンの速さがあって先行意識の高い馬はそれなりにいる。距離延長組もいることを考えれば、前述のコース形態と相まってこのコースが持つ差し有利な質を強める展開になるだろう。 ただこの場合、後方勢も序盤~中盤のペースをしっかり追走する必要があり、最後方から直線一気に差し切るという競馬は余程の地力がない限り厳しい。最も恵まれるのは中団からやや後方で序盤~中盤のタフなペースを追走し、直線で外に持ち出して末脚を伸ばせる馬だろう。馬群に揉まれることが想定される馬なら、近走で馬群を割った経験を重視したい。