【新NISAプロの助言】「インド投信」20~30年〝放ったらかし〟積み立て 「今年は〝見極め〟も必要」の理由 高橋慶行
2024年1月からスタートした新NISA(少額投資非課税制度)は、プロは実際にどのように活用しているのだろうか。投資家、トレーダーで『【新NISA完全対応】9割ほったらかし「超」積立投資 定額インデックスと年1回のトレードで年間利益200万円稼ぐ!』の著者でもある高橋慶行氏に新NISAでの戦略を聞いた。 【新NISAで買える】TOPIXを上回る好成績の日本株アクティブ投信は? 高橋さん自身、アベノミクスで日経平均株価が上がってきた頃から主に「一般NISA」を利用していたという。 新NISAでは「一般NISA」は「成長投資枠」と名称が変わり年240万円までの投資が可能になった。また、非課税保有期間は5年から無期限に、非課税保有限度額は600万円から1200万円までになり投資環境は整ったが、今年は今まで通り以上に〝見極め〟が必要だという。 「投資をする環境はよくなったとはいえ、すぐに限度額いっぱいまで資金を使う、というのは早急すぎます。今年は、投資をする先を見極めるポイントがいくつか、中東での戦争リスクや日米の政策金利の動向によって市況はかなり変わってきます」 ■景気に左右されないセクター イスラエルによるガザへの攻撃が止まらないなか、イランにも飛び火して戦争が始まると、原油価格が高騰してインフレが加速する恐れがある。 「物価が上昇してインフレ状態になると日銀は金利を上げざるを得ない状況になります。そうなると、上場企業は銀行から資金調達した資金を返済するときの利息が高くなるので成長性に欠ける。日経平均株価が下落傾向になると、金融、公共サービス、生活必需品など景気に左右されないセクターの個別銘柄は堅調に推移するでしょう」
一方でアメリカの金利の動向にも注視が必要だ。3月20にFRB(連邦準備制度理事会)は、政策金利を決める会合で政策金利を据え置くことを決定した。 「今年はアメリカの利下げが遅れて、今秋までに行わなければ株価が上がりにくい一年になるでしょう。そうなると日本国債よりも5倍程度の利回りが期待できる米国債は選択肢のひとつになります。米国債を投資対象にする投資信託やETFを成長投資枠で購入する方法があります。成長投資枠は高いリターンが期待できますが、大きく値下がりすることがありますので、投資のタイミングや銘柄選びが難しいという人は、つみたて投資枠で購入できる投資信託を選び長期保有をおすすめします」 ■一人当たりのGDPに拡大余地 長期で資産が増える条件は、投資先の国の経済成長、人口成長、マネーの増加量がポイントという。今は〝オルカン〟こと「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が人気だが、「つみたて投資枠」での投資先として高橋氏が注目しているのはインド市場に投資している投資信託だ。 「人口が多いということは消費が多く、多くの国民がその国の企業の商品やサービスを買うことなので、企業の業績が向上し、株価も上昇していく傾向にあります。一人当たりのGDPの拡大余地があり、優秀な人材の多さ、政府の強力な成長戦略も株価上昇にプラスに働きます。インド市場に投資ができる投資信託は、つみたて投資枠を使って『iTrustインド株式』などがあり、〝放ったらかし〟で20~30年ぐらいのスパンで積み立てていきます」