【有馬記念・外厩情報】非ノーザン系の波が… 「チャンピオンヒルズ」のベラジオオペラが絶対〝買い〟である理由
[GⅠ有馬記念=2024年12月22日(日曜)3歳上、中山競馬場・芝内2500メートル] 現代競馬における最重要ポイントは牧場=トレセンの連携。ぶっつけでのGⅠ挑戦、1か月程度のレース間でも放牧に出ることが少なくない現状では、これがうまくいくかどうかが勝敗を左右する。 先週の朝日杯FSで画期的なことが起きた。今年6月、三重県鈴鹿市に開場したばかりの社台ファームの外厩、「社台ファーム鈴鹿」を利用したアドマイヤズームが勝ったのだ。同ファームを中間に使用した馬がGⅠに出走したのは先週のアドマイヤズームが初めて。GⅠ初出走Vの偉業を達成したというワケだ。栗東トレセンがある滋賀県の外厩といえば、まずはノーザンファームしがらき。次いでチャンピオンヒルズの構図ができあがっていたが、今後は鈴鹿がこのトップ2に迫る〝動き〟を見せるかもしれない。 さて、年末の大一番である有馬記念だ。ドウデュースの取り消しは非常に残念だが、残る15頭から勝ち馬を選び抜きたい。外厩使用状況はノーザンファーム天栄=5頭、山元トレセン=2頭、NFしがらき、大山ヒルズ、チャンピオンヒルズが各1頭という陣容(在厩調整=6頭)となった。西の雄であるNFしがらきからはスタニングローズ1頭だけというのは寂しい限りで、ここはアーバンシックなどを擁する天栄にチャンスが訪れているようにも見える。ただ、忘れてはいけないのが先ほども触れた滋賀の雄、チャンピオンヒルズだ。 物事には勢いが大事。今年ここまで、天栄と同じだけのGⅠ勝ち馬(4頭)を送り込んでいるチャンピオンヒルズは、2024年で躍進が最も目立った外厩だ。いい結果を出せば馬が集まり、施設、人員に投資もできる。好循環が訪れているのは容易に想像できる話。この〝波〟はグランプリにもきっと押し寄せる。 ベラジオオペラは天皇賞・秋で6着に敗れた後、1週間以上の間を取ってチャンピオンヒルズに放牧(11月6日)。そこで約20日間を過ごした後、トレセンに戻ってきた。その後は坂路とウッドで各3本の併せ馬を消化する中身の濃い調教メニューを消化している。一見、前走時と同じような調整パターンに見えるが…。 実は違うのが週末の坂路追い。前走時は坂路では常に単走追いだったのが、この中間は従来と同じ併せ馬に戻している。基本的にウッドでも坂路でも他馬とスパーをすることで鍛錬してきた馬が通常メニューに戻ったのは、それだけ前走後のチャンピオンヒルズでの超回復がうまくいった証拠だろう。 上村調教師も「前回と違って本当にいい状態で送り出せるんじゃないかと思います。自信を持って送り出せますし、どんな走りをしてくれるか楽しみで仕方ないです」とデキの良さを絶賛している。