韓国「SKグループ」会長が泥沼離婚訴訟で完敗…韓国離婚訴訟史上最高の賠償金額と、財閥家の「政経癒着」が明らかに
SKグループの経営権の行方
現時点ではまだ最高裁の判決が残っているものの、これまで2審判決が覆るケースがほとんどなかった点を考慮し、韓国の財界序列2位のSKグループの経営権が危うくなるかもしれないという観測も出ている。 崔会長の資産の大半はグループの持株会社である「SK」の株式だが、賠償金を支払うために株を売ることになれば、会社の支配権が揺らぐ恐れがあるという指摘だ。ただ、盧素榮氏もやはり子供たちの経営継承のために財産分割を要求したので、「特に問題はないだろう」という意見もある。 それより深刻なのは、韓国を代表する世界的IT企業SKグループの目覚ましい成長の背景に、権力者と財閥の薄汚い「結託」があったという点が裁判所によって認められたということだ。韓国国内はもちろん、コンプライアンスを重視する海外でも、企業イメージにネガティブな影響をもたらすことは間違いないだろう。 最近、HMBをはじめとするAI半導体の技術力でサムスン電子を追い抜いたという評価を受け、世界を疾走している「SKハイニックス」も、今回のオーナーの離婚訴訟には頭を悩ませているはずだ。
金 敬哲(ジャーナリスト)